SPORTS WORK
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スポーツ庁で働く忰田氏が語る日本のスポーツ業界の成長に必要なこととは!?

日本のスポーツ業界の成長のためには何が必要か?

– 業務範囲が広いですね!オーストラリア留学をしてみて、これから日本のスポーツ業界が成長していくために必要なことは何だと実感しましたか?

スポーツを自分と関係のあるものと捉えてくれる人や組織を増やしていくことがまず第一に必要だと思います。

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スポーツ庁に出向して2年経ちますが、着任当時と比べて多種多様な業界の方と関わる機会が増えましたね。

着任当時は、スポーツビジネスということでわかりやすい、スポーツ用品やプロスポーツ関係の方が中心でした。

しかし最近では、スポーツにスポンサーをしている企業やベンチャーキャピタル、スタートアップ、地方公共団体等々、より多くの業界の方々がスポーツで何かやりたいということでお会いする機会が増えました。

この2年間だけでも、実際にスポーツ業界の裾野が広くなっていくことを業務を通じて感じています。

– 確かに、スポーツ業界を大きくしていくためには、そもそもスポーツに関係する組織や人々を増やしていく必要はありますよね。

実際に、私たちの「スポジョバ」というサービスでも、適切な人に適切な情報を提供し、『価値あるスポーツの繋がりを作る』ことがスポーツ市場の広がりを加速させると信じて運営をしています。では、スポーツに関わる人、組織を増やす上で、どのようなことが大切だと忰田さんはお考えですか?

スポーツに関わる人・組織を増やす上で大切だと感じていることが3つあります。

1つ目は、スポーツ団体がサービス提供機関に生まれ変わること。

2つ目は、スポーツの価値を再定義すること。

3つ目は、スポーツの価値を受益者の言葉で伝えていくこと。

【インタビュー】
スポーツ庁参事官補佐 忰田康征

– これだけだと分かりそうで分からないですね(笑)ひとつひとつ詳しく教えてください。

1つ目について、こちらは尊敬している方の受け売りですが(笑)。スポーツ団体、特に中央競技団体と呼ばれる各スポーツのアマチュア部門の統括をしている団体がサービス提供機関に生まれ変わることです。中央競技団体には競技者として登録している人・組織が非常に多くいます。プロスポーツの特徴はその観客やファンの多さだと思います。一方で、中央競技団体の特徴は、スポーツ実施者やスポーツ実施に必要な審判やボラン ティア、指導者など関与する人・組織の多さです。10万人以上が登録している団体も少なくありません。そういった中央競技団体が登録者を顧客と捉え、価値のあるサービスを提供できるようになれば、結果として市場は拡がる考えています。

– なるほど。身近にいる関係者は、すでにその競技の「ファン」と言えるかもしれませんしね。ファンに向けてしっかりとサービスを提供することは、ビジネスを拡大する上で非常に大切なことですよね。

2つ目は、スポーツの価値を再定義することです。プロスポーツ興行のエンタメ化が進んでいますが、それにより、これまで試合を観に来なかった層が観客として試合を観るようになりました。素晴らしいパフォーマンスがスポーツのコアコンテンツであることは間違いありません。しかし、スポーツを旅行や映画などと同じエンタメとして楽しむ方が増えれば市場も広がります。また、健康の重要性が高まる中、スポーツが人々の健康に価値をもたらすということを見える化していくことが大事だと思います。昨年度スポーツ庁でも、スポーツ実施や観戦などが個人の「身体的」「精神的」「社会的」健康に影響を及ぼす可能性があるというロジック・モデルを公表しています。スポーツを「する」「みる」「ささえる」こと自体を目的としなくてもいいのです。これらを通じて「楽しくなる」「健康になる」「幸せになる」といった、スポーツを「活用する」層を増やしていくことが重要だと思います。

– 確かに、前編でもお話にあった「スポーツ=競技」という枠組みから少し広がった見方をすることで、今までの範囲とは違った領域が生まれそうです。

3つ目は、スポーツの価値を受益者の言葉で伝えていくことだと考えています。より多くの人・組織が関心を持ち、実際に消費や投資などお金を使うという行動をしてもらうためには、その受益者が価値を感じるものでなくてはなりません。どの業界でもオープンイノベーションの重要性が説かれていますが、スポーツ界も正に同様と感じています。わかってくれる人がわかってくれれば良いという職人気質な考え方を改め、自分たちの取組を相手の言葉で伝えられるようになると、スポーツに関わる人はもっと増えます。 その結果 、経済的にもスケールすると思います。川崎フロンターレでは、長らく障がい者就労支援を行って来たそうです。その活動が障がい者雇用につながっているという効果を見える化したことで、その取組に対してスポンサーがついたそうです。

【インタビュー】
スポーツ庁参事官補佐 忰田康征

◆経歴◆
・1986年福岡県北九州市出身。2009年早稲田大学卒業後、経済産業省に入省。地域経済政策や貿易政策等を担当。
・2015年から2年間オーストラリアに留学し、グリフィス大学でスポーツマネジメント修士号を取得。
・2017年6月からスポーツ庁に出向中。
・スタジアム・アリーナ改革やスポーツ経営人材の育成・活用、SOIP(スポーツオープンイノベーションプラットフォーム)、スポーツシェアエコの推進等を担当。
・スポーツ界と他産業間の交流を促進するため、プライベートでもスポーツビジネス交流会を開催。

【取材元】スポジョバ〜スポーツ業界に特化した求人メディアサイト〜
取材・構成=久下真以子

スポジョバは、2019年8月23日にリリースしたばかりのスポーツ業界に特化したマッチングサービスです。スポジョバのサイト内には、スポーツ業界の求人情報を中心としつつ、特集記事やセミナー、イベント情報も掲載します。「スポーツ好きなあなたがスポーツ業界をもっと良くする」をコンセプトに「価値あるスポーツの繋がりを作る」ことをミッションにしています。