Bリーグ新リーグ解説③ 〈ドラフト制の導入〉
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。しかし、Bリーグはこれからさらなる進化を遂げます。2年後の2026‐27シーズンからは「B.革新」の名のもと、新リーグへと移行。『ラブすぽ』では今回、生まれ変わるBリーグが一体どんな形になるのか、解説していきます!
【全3回の第3回】
新人選手の獲得は自由競争からドラフトへ!
2026‐27シーズンから開幕する新リーグでは、「戦力の均衡化」も大きなテーマのひとつ。そのため施策のひとつとして実施されるのが「ドラフト会議」です。NBAでも採用されており、ドラフト対象選手を各クラブが指名することで、入団が決まるというもの。現在のBリーグでは選手獲得は基本的に「自由競争」。有望若手選手が人気クラブや強豪クラブに集中せず、リーグ全体で戦力均衡化を図るのが、ドラフト制度採用の最大の理由と言っていいでしょう。
現行、ドラフトでの指名は完全ウェバーにより1巡目から実施。各クラブ最低2巡目まで指名を行い、3巡目以降は指名はなくなるまで実施されるとのこと。
気になる指名順位ですが、1年目(2026年1月開催予定)の決定方法は未定ながら、2027年以降はシーズン順位下位クラブから「指名順抽選」を行う方式をとります。これは、「下位クラブからの指名だと上位に上がろうとするモチベーションが弱まる」ことを避けるための仕組みです。
また、ドラフトで指名された選手については、最低3シーズンの契約が保証されており、年俸額も指名順位によって規定されています。ちなみに、1巡目指名選手については高校生が1400万円、大学生(中退含む/アメリカ大学リーグNCAA D1を除く)が1800万円、NCAA D1の選手に関しては3000万円と、日本のプロスポーツの中でもかなりの好待遇。なお、世界大会の代表経験がある、もしくはNBA以外の海外リーグで2年以内のプレー経験がある選手に関しては3500万円で、世界大会で平均15分以上出場した選手が対象となる「スペシャル」枠の選手の場合、その年俸は驚異の1億円に設定されています。
「ドラフト」と言えば日本ではプロ野球が有名ですが、毎年のように目玉選手の入団先が注目される一大イベントになっています。日本のプロ野球や本家NBAと同様、これからはBリーグのドラフトも日本中から注目されることになるかもしれません。
新人選手の好待遇を見ても分かるように、現在のBリーグは明確に「稼げるプロスポーツ」へと変貌しています。2026‐27シーズンの開幕をキッカケに、日本バスケ界がこれからどんな進化を遂げるのか――。ファンのみなさんもぜひ注目してみてください。
文・花田雪
公開日:2025.02.28
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