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体の歪みを見抜き健康を保つ! 姿勢の見方〈立位での左右の傾きチェック〉する方法とは!?【スポーツ障害予防の教科書】

Text:土屋真人

立位姿勢をみる基準⓶ 左右

左右のポイントの水平さ&背骨と動きで左右傾きをチェック

立った姿勢で左右のバランスを見る場合には、次の部位をポイントにします。その部位とは耳たぶ(耳垂)、肩先(肩峰)、骨盤の上端(腸骨稜の最上部)、膝のお皿(膝蓋骨)になります。基本的にはそれぞれのポイントが水平になっているかが基準になります。

立位での左右の傾きチェック【スポーツ障害予防の教科書】

後ろから背骨の配列もみてみましょう。ここでは、背骨(椎骨)の配列をS字や逆S字、C字や逆C字と表わしています。後ろからみた背骨の配列はほぼ真っすぐになっていることが標準的です。

いろいろな背骨の配列【スポーツ障害予防の教科書】

四つばい位で左右バランスの動きチェック

続いて動きのチェックをします。四つばい位になってもらい、左右それぞれからお尻の方を見るように、胴体を横曲げ(側屈)してみます。この時、左右の可動域に差がなく、つっぱり感なども感じないようなら、姿勢は固定化していないので、姿勢改善のためには正しい姿勢に気をつければ大丈夫なレベルと考えられます。

四つばい位で左右バランスの動きチェック(上から)【スポーツ障害予防の教科書】

四つばい位で左右バランスの動きチェック(横から)【スポーツ障害予防の教科書】

ところが次のようなケースもあります。先ほど立位で基準にしたポイントが傾いていたとします。その場合には胴体の左側の筋が本来よりも短くなっているので、そのあたりの筋などがこわばっている(=反対側の筋は力を出しにくくなっている)可能性があります。動きチェックで右側へ胴体を側屈すると反対側より可動域が少なかったり、つっぱり感を感じたりすると、その状態が固定化している、つまり、「姿勢の固定化」があると判断できます。

姿勢の固定化【スポーツ障害予防の教科書】

この場合は、正しい姿勢に気をつけるだけでは、改善まで時間がかかるレベルです。筋にこわばりがある、筋が十分に力を発揮できない状態は、〝動き〞にあらわれます。姿勢が固定化している場合、関係している関節が本来できるはずの基本的な運動が十分にできなくなっている場合がほとんどです。逆に言えば、その姿勢に関係している関節の基本運動を十分にできるようにしてあげることで固定化した姿勢を改善することができるのです。このあたりはまだまだ一般的になっていない考え方かもしれません。スポーツ傷害予防のために上手に役立ててほしいと思います。

出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』

【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人

スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。

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