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痛みの原因はどの部位に隠れている? 身体の不調をチェックする新発想の方法とは!?【スポーツ障害予防の教科書】

Text:土屋真人

痛い部位が直接悪いわけじゃない

姿勢と動きの関係を知ることで動きケア®への理解が深まる

まずは皆さん自身の姿勢をチェックしてみてください。「姿勢を気をつければ大丈夫な状態」か、「姿勢に気をつけるだけでは改善に時間がかかってしまう状態」かを判断できるはずです。姿勢(骨配列)を支えているのは筋です。私たちの姿勢(骨配列)が固定化され、本来のものと大きく違っていたら、それを支えている筋も十分に機能していないはずです。そのことが身体各部の基本運動のなかに十分にできない動きとして表れてくるのです。それを修正するメソッドが動きケア®です。

痛い部位が直接悪いわけじゃない【スポーツ障害予防の教科書】

具体的なメソッドに入る前にもう1点知っておいてもらいたいことがあります。それが私たちの身体は連動して動いているという事実です。このことがわかると、痛い部位に負担をかけているのは他の部位であるケースも見えてきます。「なぜ痛い部位が直接悪くないのか」という意味を知っていただき、その理論が分かれば動きケア®についての理解が高まると思います。

立位姿勢と動きチェックで姿勢の固定化を確認する【スポーツ障害予防の教科書】

前後のチェック

立位でのチェック

上前腸骨棘と上後腸骨棘の傾きを計る→指1本分が標準値になる。

動きでのチェック

四つばい位で腰部を反る・丸めることで痛みや可動域の減少が姿勢と一致していないかを確認する。

左右のチェック

立位でのチェック

耳たぶ、肩先、骨盤上部(左右)、膝のお皿という4か所をポイントにして水平さを確認する。また背骨の配列を確認する。

動きでのチェック

四つばい位で側屈することで痛みや可動域の左右差が姿勢と一致していないかを確認する。

ねじれのチェック

立位でのチェック

膝のお皿や上前腸骨棘(左右)に指を当てて前後差(=ねじれ)を確認する。

動きでのチェック

立位での脚の曲げ伸ばしで意図的に片方の上前腸骨棘と膝を前に出す。それによって痛みや可動域の左右差が姿勢と一致していないかを確認する。

膝に過度な負担がかかるのは?

膝の痛みの要因は他の部位にある

スポーツ動作や日常動作のほとんどは、全身の連動で成り立っています。そのため、身体の部分が十分に動いていなかったり、身体全体がうまく連動して動けていないと身体の部分(部位)に過度な負担がかかることになり、スポーツ障害が起きやすくなります。膝に過度な負担がかかる動きとしては、膝の曲げ伸ばしの際に
①つま先よりも膝が大きく前に出ること
②つま先の方向と異なる方向に膝が曲がる(膝が過度にねじれる)こと
が挙げられます。

まずは①の動きですが、画像1を見ていただくと、立位で脚の曲げ伸ばしをした際に、膝がつま先より前に大きく前に出ていません。一方で画像2を見ていただくとつま先よりも膝が大きく前に出ていることがわかります。脚を前に踏み出した際の画像3では、膝がつま先よりも前に出ていません。一方で画像4は膝がつま先よりも大きく前に出ています。

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き1

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き1【スポーツ障害予防の教科書】

画像1

膝がつま先よりも大きく前に出ていない。また股関節に着目するとしっかりと曲がっている。

画像2

膝がつま先よりも大きく前に出て、膝に負担がかかっている状態。また股関節に着目すると曲がっていない。

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き1【スポーツ障害予防の教科書】

画像3

片脚を大きく踏み出した際に、膝がつま先よりも大きく前に出ていない。また胸郭部に着目すると適度に伸びている。

画像4

片脚を大きく踏み出した際に、膝がつま先よりも大きく前に出てしまっている。また胸郭部に着目すると丸まっている。

さらに次の画像を見ていただくと、画像1は膝がつま先と同じ方向を向いておりねじれていません。一方で画像2は膝がつま先よりも内方を向いています。また画像3は膝がつま先よりも外方を向いています。続いて画像1の股関節に注目してください。この画像では股関節(脚のつけ根)が曲がっています。一方で画像2では股関節が真っすぐになっています。つまり膝に痛みがあったとしても膝が悪いのではなく、股関節が十分に曲がっていないため、膝に負担がかかって痛みが生じているケースがあるのです。他の部位も見てみると、胸郭部が伸びないと骨盤は前傾できないため、股関節を曲げることはできません。また、足部が回内足になっていると、土踏まずが潰れて足部が傾くため、結果として膝が内側に入り、膝関節が過度にねじられた状態になります。これによって膝に痛みが生じている可能性もあります。このように「股関節」や「骨盤部」、「胸郭部」や「足・足部」が十分に動いていないことが膝に過度の負担を与え、痛みや怪我のリスクを高めることにつながるのです。

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き2

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き2【スポーツ障害予防の教科書】

画像1

膝とつま先が同じほうを向いている。また足部に着目すると足裏全体に体重が乗っている。

身体にやさしい動きと膝に過度の負担がかかる動き2【スポーツ障害予防の教科書】

画像2

膝がつま先よりも内方に入っている。また足部に着目すると土踏まず側に体重が集まっている。

画像3

膝がつま先よりも外側に向いている。また足部に着目すると小指側に体重が集まっている。

不調部位が腰の場合【スポーツ障害予防の教科書】

〇部位運動(痛くない部位の運動)

不調がある膝のとなり部位から順にみていき、十分にできなくなった基本運動をできるようにしてあげます。

不調の「膝」は〇方向運動

膝の基本運動①曲げる(屈曲)
②伸ばす(伸展)
③内旋(膝を曲げた状態で内ねじり)
④外旋(膝を曲げた状態で外ねじり)
のうち、痛くないor不快感がない動き(=〇方向運動)を行います。
※〇方向運動がない場合は行いません。

出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』

【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人

スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。