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シヴァと結びついたリンガ崇拝【眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々】

Text:鈴木悠介

シヴァと結びついたリンガ崇拝

人間の姿だけではなく、リンガ (男根)で崇められることも

シヴァはインダス文明からその信仰が見られる古い神です。ただ、シヴァへの信仰が大発展した際、その性格に非アーリア的な要素、つまり、アーリア人の侵入で南インドに移動したドラヴィダ系の要素が強くなります。

実際に、南インドでは、ヴィシュヌ信仰よりもシヴァ信仰の方が歴史は古く、シヴァ信仰は土着の信仰を吸収しながら強大化していきました。

その土着信仰のひとつが、リンガ崇拝です。リンガとは抽象化された男根のことで、世界中に同じ信仰が見られます。

リンガは石でつくられ、サイズはさまざま。ヨーニという抽象化された女性器を台座に、その上に直立した形で表現されます。

リンガ崇拝はインダス文明に見られますが、アーリア人の宗教世界には存在せず、また、ヴェーダは男根信仰を排斥。

しかし、インドで非アーリア的な宗教が復活してくるにつれ、リンガ崇拝はシヴァ信仰と結びつき、シヴァへの信仰をますます膨らませました。

リンガそのものでシヴァへの信仰を表したり、シヴァと一緒にリンガが描かれたりします。また、シヴァの顔がついたリンガ、ムカ・リンガというものもあります。

※アーリア人とドラヴィダ系民族ドラヴィダ系民族はインダス文明を築いたとされる先住民。アーリア人はインド・ヨーロッパ語族の諸言語を用いる民族。

土着信仰と結びついて強大化したシヴァ信仰

シヴァ神は、子孫繁栄の願いを込めた男根崇拝(リンガ信仰)と結びつけられ、さらに信仰が拡大した。リンガとは石でつくられた柱のようなもので、大きさはさまざま。リンガ信仰は紀元前 2600 年頃から紀元前 1800 年頃まで栄えたインダス文明の遺跡にも見られるような古い信仰で、これがヒンドゥー教に取り入れられ、シヴァと結びついた。

 

  • 下部はヨーニと呼ばれる台座で女性器を表すとされる。
  • 最下部はブラフマーを表す。
  • 上部がシヴァを表す。シヴァの顔がついているものも多い。
  • 中間部はヴィシュヌを表す。

踊る王としてのシヴァ像

シヴァは「踊りの王(ナタラージャ)」とも呼ばれ、光輪を背景に片足を上げて手を広げたポーズで踊るシヴァの像や絵も多い(インドでは切手にもなっている)。108種ものダンスを身につけていたといわれる。

  • 小さな太鼓で創造のリズムを刻んでいる。
  • ガンジス川の女神ガンガーが髪についている。
  • 腕に巻きついているのは蛇の神ナーガ。
  • 手のひらの上の炎は破壊を表す。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』監修:鈴木悠介

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 世界の神々』
監修:鈴木悠介 日本文芸社刊


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