決まった昆虫のために咲く、ダーウィンのラン
進化論を提唱したチャールズ・ダーウィン(1809年〜1882年)は、田舎の自宅でさまざまな植物の観察と実験から植物学の先駆的な研究をした。特にマダガスカル島から入手したアングレカム・セスキペダレの長さ20㎝ 以上におよぶ距(きょ)(内部に蜜がある部分)を見て、これにふさわしい長さの口吻(蜜を吸う口)をもつ昆虫がいるに違いないと予測した。このことから、このランは「ダーウィンのラン」とよばれている。そして、ダーウィンの予言通り、見事40年後に長い口吻をもつキサントパンスズメガが見つかった。
アングレカム・セスキペダレ
長い口吻をもつキサントパンスズメガ
長さ約30cmの口吻をもつキサントパンスズメガがランのアングレカム・セスキペダレの距の奥にある蜜を求めに来る。そこで花粉がガに付着して受粉する。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話』監修:稲垣栄洋
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話』
監修:稲垣栄洋
シリーズ累計300万部突破の大ヒット「眠れなくなるほど面白い」図解シリーズに、【植物学】が登場!
色仕掛け、数学の応用など、生き残りをかけた植物のたくみな戦略を徹底解説。
図とイラストで、ひとめで植物の生態としくみがわかります。
読めば、「ふだん見かけるあの植物に、そんな秘密が!?」と驚くはず。
「花の女王はバラ、では雑草の女王は?」「なぜ夏の木陰はヒンヤリするのか?」
「昆虫と植物は必ずギブ&テイクの関係なのか?」「植物は数学を知っている?」
「じつは、植物によって光合成のしかたが違う?」
など身近な疑問から、花粉を運ばせるための昆虫だましテクニック、
一歩踏み込んだ光合成のしくみまでわかりやすく紹介します。
監修は、植物学者・静岡大学教授の稲垣栄洋先生!
植物たちの巧みな戦略とたくましい生き様が見える一冊です。
公開日:2025.02.12
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