半径の長さが変わらないグリップ②
●ナイスショットを可能にする両手の握り方
右手グリップは、まず手首をいくらか甲側に反らせ「背屈(はいくつ)」、その後、親指と人差し指を締めて、いわゆる「V字」を作ります。すると親指側に手首が折れる「とう屈」した状態になります(下部イラスト参照)。
右手は「背屈」して「とう屈」した状態が正しい握り方です。
次に右手の生命線が左手の親指と重なるようにして、親指、人差し指、中指の指先でつまむようにグリップします。
がっちり握りこむ必要はありません。「つまむ」イメ―ジです。
すると右手生命線の根本に若干のすき間ができます。これを私は「ブラックホール」と呼んでいます。
右手にブラックホールができるように握りましょう。なかなか上手くならないゴルファーの多くは、両手を一体化させてがっちり握っているので、ブラックホールはできません。
このようにして左右の手でグリップし、左上腕の内側で左胸を若干圧すようにしてアドレスします。
左脇を絞るとか、強く圧迫する必要はありません。軽く圧着する程度で十分です。
その状態で左肩を、やや上に持ち上げます。左の肩甲骨を少し後ろ(背骨側)に引き上げるのです。すると、左手が左太ももの前付近に自然に移動し、軽いハンドファーストの構えになります。この左肩を背骨側に少し引き上げる動きを加えた一連のセットアップで、左鎖骨から、左肩、左上腕が硬質ゴムのようにワンセットに固まります。
その硬質ゴム状になった左腕のワンセットの先に、150度の角度がついた手首があり、さらにその先のシャフトとヘッドに繋がっている。これがSスウィングで考える円運動の半径の長さです。
インパクト時にこの手首の角度になっていれば、円の半径は正しい長さになります。
あとは円運動の中心であるG点の位置がずれないようにしておけば、いつでも、どこでも、1発目からジャストミートできることになります。
出典:『ゴルフスウィングの真実 ジャストミートを確約するSスウィング』著/佐久間馨
【書誌情報】
『ゴルフスウィングの真実 ジャストミートを確約するSスウィング』
著者:佐久間馨
タイガー・ウッズ、ジャック・ニクラウスなど、プロゴルファーの名選手には共通したクラブの動きがある。その動き分析し、本書の著者が体系づけたスウィングが「Sスウィング」。 本書の構成は「Sスウィングのメカニズム」と「漫画でわかるSスウィングの正体」の2部構成。 第1部では「クラブの動きと体の動き」の視点から、合理的なクラブの振り方を詳細なイラストとわかりやすいテキストを使って解説。アドレスからフィニッシュまでの動きについて、著者独自の理論を展開している。なかでも、「スライド・ダウン」、「ターンアップ」など従来のゴルフ用語にはない、スウィングの動きを表す言葉の解釈は一読の価値あり。 さらに、第2部「漫画でわかるSスウィングの正体」は、ゴルフビギナーがSスウィングを学び、身に付けていくプロセスをストーリー漫画でわかりやすく紹介している。
公開日:2021.12.14