ゴルフスイングは体を魚のように動かす
ゴルフスイングでは、体のパーツをどう連動させるかが大きなポイントになります。そのとき最も重要なのが胸郭(きょうかく)や肋骨周りの動きで、ふだん意識していない体のパーツを意識的に動かすことが上達への早道となります。
一説によると人間は魚類から進化したなどと言われ、胴体を揺らしながら泳ぐ魚の動きはまさに、全身が連動しているといえるでしょう。胴体部分をうまく使って、末端の手に連結させながらボールをとらえるのが質の高いスイングなのです。
ゴルフは「止まっているボールを打つ」という性質上、どうしても動作を2次元的にとらえてしまいますが、人間の動作は縦、横、斜めと3次元的であり、それらを組み合わせながら作っていくのがスポーツ動作でありゴルフスイングです。ですから個々の体のパーツでスイング作りをするのではなく、つねに立体的に動きをとらえていこうというのが私の考え方の肝になっています。
たとえばバックスイングをするときには、右の肩甲骨が引き寄せられていることが大事です。単に腕を上げるだけでは肩甲骨が外れてしまって体との連動性がなくなってしまいます。ですから「右の肩甲骨をしっかり引いて左の肩甲骨へ寄せていく」意識が必要で、この動きを行うだけでも、ダウンスイングで体の開きがかなりの部分おさまります。
その中でなおかつ胸郭部分をしっかり動かすことによって、「体は動いているけれども左肩が開かない」という旨味のある動作を行うことができるのです。
このように「体をうまく使う」ということを最初に覚えてしまえば、ゴルフボールを初めて打ったときに意外と良い動きになったりします。つまり体の動きからアプローチしていくのが私のメインテーマであり、それにクラブの使い方をプラスしていくことで、プロのようなアスリートスイングを作ることが可能になります。
【書誌情報】
『ゴルフは直線運動(スイング)で上手くなる!』
著者:三觜喜一
本書の著者は、ゴルフスイングについて「簡単に言ってしまうと直線運動ということ。回転する部分もあるが、直線イメージでとらえることで、スイングはシンプルになる」と言う。そこで、この本では、「スイング=直線運動」に基づいた体の動かし方を学ぶドリルをはじめ、アドレス、グリップ、そしてスイングの具体的な直線動作をわかりやすく解説。また、著者の指導現場で連携しているトレーナーとスイングと体の動きについて対談。スライス、ダフリといったミスショットの具体的な修正法も収録した。
公開日:2020.01.09
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