北極星が地球から見て動いてないように見える面白い理由とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話】

北極星は本当に動かないのか?
ゴマすり運動で地球の自転軸が動くと北極星もまわる
地球は一日で1回自転しています(厳密には23時間56分)。夜空に光る恒星は遠方にあるために、地球からみるとほとんど位置を変えません。地球が自転しているために、星は自転軸の周りを回転しているようにみえます。この自転軸の延長線上にたまたま北極星があるために、あたかも北極星を中心に星が回転しているようにみえるのです。
さて、それでは北極星は動くことはないのでしょうか?
実は、どんな星も宇宙の中で動きまわっています。これを星の固有運動と呼びます。我々の太陽も(太陽系も)、かなりの速度で銀河系の中を動いています。ただ、多くの星は遠くにあるために、その動きが地球からはみえません。では、自転軸はどうでしょうか?
自転軸が動けば、その延長線上から北極星はズレるので北極星も回転をはじめます。地球も角運動量保存則という物理法則に従っているため、自転軸はそれほど大きく動くことはありません。ですが、わずかには動きます。
例えば、机の上でコマをまわしてよく観察してみてください。コマの回転の中心の軸をみていると、ゆっくりと回転していることがわかります。これが歳差(さいさ)運動、別名ゴマすり運動(図1、図2)です。


地球では、4万年という長い周期でわずかに歳差運動を行っています。確かに誤差といっても良いほどの量ですが、重箱の隅などと侮ってはいけません。ミランコビッチが提唱した地球軌道離心率、自転軸傾斜角、歳差運動などによるわずかな量振動が気候を変動させるというモデルは、真剣に考えなければならない人類の未来に直結しているかもしれないのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』著:高橋正樹 他
・地球の成り立ちについて興味がある
・地震のメカニズムについて知っておきたい
・今後日本が直面する気候変動について学びたい etc….
以上の方には「図解 地学の話」は大変おすすめな本です。
6400㎞とは何の距離かわかりますか?東京と宇都宮の間の距離が約100kmほどですから、その64倍ということになります。また、本州の長さは測り方にもよりますが、約1300kmほどですから、その約5倍です。決して短い距離ではありませんが、かなりの長さというわけでもないですね。実は、これは地球の半径の長さなのです。「えっ、地球ってそんなに小さいの!」とびっくりする人もいるかもしれません。そうなのです、地球は本当に小さい惑星なのです。
46億年。一年の46億倍。これはまた、気の遠くなるような時間の長さですが、これは地球の年齢。宇宙の年齢は138億年といわれていますので、それにくらべれば若いとはいえますが、それでも膨大な時間です。長く生きている小さな惑星、それが私たちの地球です。
中学や高校で地学を学んだ方もいるかもしれません。地学は、こうした地球についてさまざまなことを教えてくれます。ですが、地学の分野はきわめて多岐にわたり、そのすべてについて詳しく知ることは、不可能ではないかもしれませんが、大変難しいことです。本書は、地学の種々の分野を体系的に知るための教科書ではありません。49の面白そうなトピックを選び、図解をまじえて、なるべく物語風に語ったものです。
どの項目を読んでも、地学に興味のあるあなたなら楽しめるはずです。ぜひ本書を一読し、その深い世界を楽しんでください。

地球はどのようにして誕生したのか?
この記事では多くの人が一度は疑問に思ったことがある、「地球はどのように誕生したのか?」を解説します。不思議でロマンあふれる地学の世界の一歩を踏みだしましょう。
太陽系は、今から約46億年前にできました。太陽だけではなく、太陽系の惑星も同時にできました。最初は星間ガスの回転濃集から始まり、やがて中心星の太陽とそれを取り巻く円盤が形成されると、円盤の中にガスから固体の塵が晶出しました。その後、それらの塵が相互に合体して、岩石、微惑星、そして惑星や衛星が短期間に形成されました。惑星になれなかった小惑星、隕石、そして月の石の最古年齢は、いずれも46億年前であることから、それが太陽系形成年代とされています。
ですが、地球にはそのような古い記録は残されていません。その理由は、地球では他の惑星にないプレートテクトニクスが働いていて、常に古い岩石を新しいものにつくり替えているからです。地球最古の岩石はカナダ北部でみつかった40億年前のものであり、最古の物質は43 億7000万年前のジルコンという鉱物粒です)。地球年齢が46億歳ということは間接的に推定されているわけです。

多様な隕石の2段階による合体でできた地球
地球の岩石の化学成分はよく調べられており、しばしば惑星形成の材料物質であった隕石の組成と比較されます。すると地球岩石は多様な隕石の種類の中でも、特定のタイプ(エンスタタイト球粒隕石)と近縁であることが確認できます。
地球の岩石の化学成分はよく調べられており、しばしば惑星形成の材料物質であった隕石の組成と比較されます。すると地球岩石は多様な隕石の種類の中でも、特定のタイプ(エンスタタイト球粒隕石)と近縁であることが確認できます。ところが、このタイプの隕石には、大気や海水をつくる軽い元素がまったく含まれておらず、エンスタタイト球粒隕石だけでは、現在のような水惑星地球をつくることはできません。地球の大気や海水をつくっている水素の同位体組成(普通の水素の他に重水素と三重水素がある)は別のタイプ(炭素質球粒隕石)が起源であることを示しています。
したがって、地球形成は、岩石/金属からなる部分をつくったエンスタタイト球粒隕石集積の段階と、その後の炭素質球粒隕石の追加という2段階を経てできたことがわかってきました。
太陽系の中を実際に探査機が飛びまわって調べた結果、エンスタタイト球粒隕石は地球軌道周辺にも存在していたと考えられますが、水素などの揮発性成分を持つものは火星の外側の小惑星帯の中でも外側にしか分布していないことがわかりました。であれば、初期太陽系の円盤の中で大規模な物質移動を考える必要があります。

日々の生活の必須知識として家に置いておきたい一冊!
春はいろいろな出会いがあり、新しい環境に身を置く人も多いでしょう。そして、よい人間関係のスタートを着る上で、心理学の知識は大いに役に立ちます。この一冊を読んで、コミュニケーションを深く知り、他者と良い関係を築きましょう。
知的好奇心を満たす1冊!ぜひ『眠れなくなるほど面白い 地学の話』をご一読ください!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』著:高橋正樹 他
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』
著:高橋正樹 他
地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。「地理」「地質」「鉱物」「海洋」「気象」等ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。
地球の誕生から、火山のメカニズム、異常気象、化石と宝石など図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。
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