では、どこを動かさずにスウィングすればよいのか?それは、「左胸鎖関節」。Sスウィングでは、ここを「グリちゃん」と呼んでいますが、この左のグリちゃんが円運動の支点、コンパスで円を描くときの針の位置になります。左胸鎖関節を意識しながら、左の鎖骨、左肩、左上腕をワンセットの塊にしてアドレスし、そこから左上腕は胸に触れたままクラブを上げていけば、安定したトップが得られ、球の芯を打ち抜くスウィングができます。
ところで、ダウンスウィングからインパクトに向かう際に、ヘッド軌道はインサイ ドから下りてきます。このとき、インサイドからクラブを下ろすために、右ヒジを鋭角に絞り込むようにと書いてあるレッスン書があります。しかし、Sスウィングではそんな面倒なことはしません。第一、スウィング中、右ヒジの角度はいつも鈍角(90度以上)で、鋭角(90度以下)にはなりません。ならないものを無理にしようとするとスウィングがおかしくなります。Sスウィングにおけるダウンスウィングの始動は、トップから、右ヒジを元のアドレスの位置に向かって重さで戻す。脱力すればOKです。
自分で何かをしようとするのではなく、脱力して静かに元の位置に戻ってきます。そうすれば、勝手にダウンの半ばで右ヒジが右脇腹に当たって、右ヒジの動きが止まり、慣性力が働いて、前腕は体の前にせり出していき、自然にインパクトを迎えます。俗に「クラブは上げて、下ろすだけ」とは、このことを指しています。それでも、ドローボールを打つときなどに、よりインサイドから振り下ろしたいと思うときは、右腕よりも左腕を意識しましょう。トップから切り返すときに、左上腕と左胸が圧着しますが、その角度を保ったまま振り下ろすのです。そうすれば右ヒジが体から離れることはないので、クラブがアウトサイドから下りてくることは絶対にありません。
【書誌情報】
『誰でもできるナイスショットの絶対法則』
著者:佐久間馨
ゴルフのパットがうまくなるために、1アドレス(構え方)、2ストローク(打ち方)と距離感、3グリーンの読み方を写真を交えてその方法をわかりやすく解説。ラウンド当日の練習方法も、5分間~20分間の練習時間別に紹介。パッティングは、グリーンの傾斜を読む力、その感性を育むために必要な基礎技術をこの本で体得していただきたいと願いながら書きました。技術と感性が向上し、スコアアップに、そしてゴルフのおもしろさアップにつながりましたら幸いです。
公開日:2020.03.23
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