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アマチュアに非常に多いフリップ動作【三觜喜一のキーワードレッスン】

Text:三觜喜一

フェース面をボールに当てに行くとフリップする

左手首を甲側に折りながらボールをとらえる動作をフリップと言い、アマチュアには非常に多い動きです。おそらくほとんどのアマチュアがフリップしていますし、女子プロのツアー選手レベルでも、正確にハンドファーストにインパクトできている選手は全体の20%もいないでしょう。なぜこう当たるかと言うと、フェース面をボールに当てに行くからです。クラブフェースは何もしないとバックスイングで手が先行し、手を戻すとフェースが重さによって開かれます。この部分をフェースだけで考えたら、閉じてきたものが開くように動きます。開いてくるからこそ閉じる動作が必要になってきますが、これがスピネーションです。これをせずにトップからクラブフェースをボールにまっすぐ当てに行くと、支点が右に残ってヘッドがボールに届きに行くので、必ずフリップ動作になります。

当てに行くと支点が右に残る

フリップしている人は、確実に脳の中でフェース面をまっすぐ保とうとしています。まさかフェースが閉じて開いて閉じるという動きをするとは思っていないんですね。ゴルフクラブが3次元的な動きをしていることがイメージできないのです。クラブは単にスイングプレーンをなぞるように動くだけではありません。シャフトを軸にフェースターンしますし、振り子運動の支点も動きます。「片手で速く振れ」と言ったら、この3次元的な運動をイメージできるのですが、両手で持つとイメージできなくなるのが大きな問題で、止まっている物体に対して、クラブをまっすぐ当てなければならないとなるとフェースを動かさなくなりますし、フェースには先端の意識が脳にあるので、どうしても先端をまっすぐボールに当てるように動かしてしまいます。その結果
がフリップ動作なのです。

「まっすぐ当てよう」という意識がフリップを招く

自分ではハンドファーストにボールをとらえているつもりでも、動画を撮って見るとフリップしている人は「ハンドファーストにまっすぐ当ててるつもりなのに……」という表現を必ずするものです。しかし「まっすぐ当てよう」と思っている時点で、ダメだということに気付かないとフリップは直りません。クラブフェースはつねにボールに対して回転します。回転する最中にボールをとらえているという動きが正解なのです。ですので面でまっすぐ当てようと思った瞬間に、支点が右側にずれて左手がロックされてしまいます。ここがポイントで、ハンドファーストインパクトになるために、左手はアドレスの位置より当然、左にずれるわけで、ボールに対して左手は動き続けないとハンドファーストにならないのです。

【書誌情報】
『最強インパクトを作る うねりスイング(世界基準のゴルフを身に付ける!)』
著者:三觜喜一

「ゴルフスイングの習得には、スイング中の4つの連続動作を行うことが重要」という、著者のスイング理論を数多くのカラー写真を交えてわかりやすく紹介。写真の他に、QRコードで連続動作がよくわかる動画が見られる! また、「うねりドリル」「かご練」など、スイング作りに不可欠な著者独自の練習ドリルも収録。ベストセラーとなった著者の前著『ゴルフは直線運動で上手くなる! 』を補完する、スイングメソッドを完全解説し、B5判という大きな紙面、300ページ近い本書は、ゴルフ初心者から経験者のスイングの見直しに必ず役立つ一冊だ。

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