小胞体、ゴルジ体、リボソーム、リソソーム
私たちの体はたくさんの細胞で成り立っている「多細胞体」です。細胞はその特徴から、核を持った細胞「真核細胞」と、核のない「原核細胞」に分けられます。
原核細胞からなる原核生物は核がないだけではなく、真核細胞からなる真核生物よりも小さく、細胞小器官があまりない「単細胞生物」です。
しかし、真核生物にも酵母のような単細胞生物がいます。原核細胞が先にでき、単細胞性の真核生物、そして、多細胞性の真核生物、という順番に進化してきたのです。
「小胞体」は扁平な袋状の膜構造が幾重にも折り重なった構造をしており、膜の表面にリボソーム粒子を持つものを「粗面小胞体」といい、合成されたタンパク質などの輸送通路です。
持たないものを「滑面小胞体」といい、ホルモンなどを合成します。「ゴルジ体」は発見者の名前をとって名づけられました。5、6枚積み重なった扁平な「のう」とその周辺に付随する小胞からなっています。小胞体から来たタンパク質を濃縮し、細胞外に分泌すると考えられています。
「リボソーム」はあらゆる生物の細胞内に存在する小器官です。遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する、いわば「翻訳」が行われる場です。
「リソソーム」は水解小体とも呼ばれ、細胞内消化を行うところです。加水分解酵素を持ち、膜内に取り込まれた生体高分子はここで加水分解されます。
分解された物体のうち、有用なものは細胞質に吸収されていき、不用物は大部分細胞外に廃棄されます。
真核細胞の小器官たち
原核細胞
細菌のように、細胞内に核を持たない細胞。
真核细胞
リソソーム
リボソーム
核
ゴルジ体
小胞体
ミトコンドリア
核膜で囲まれた核を持つ細胞。細菌とラン藻以外の生物の細胞。
細胞小器官
①小胞体
合成されたタンパク質の輸送通路。
②ゴルジ体
タンパク質を細胞外へ分泌する。
③リボソーム
遺伝情報 (RNA)を読み取ってタンパク質へと変換する(翻訳)。
④リソソーム
細胞内消化を行う。
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
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気になる中身を少しだけご紹介!消化管のおもな病気と症状とは?
放っておくとがんになる炎症とポリープ
消化管とは、口腔から始まり食道、胃、小腸、大腸を経て肛門までの食物の通路のことをいいます。食道から胃までを上部消化管といい、食道にみられる病気で、近年増えているのが食道の粘膜が炎症をおこした「食道炎」です。その症状は、胸部の痛み、下障害(飲み込みにくい)、胸やけ、 香酸、などがあります。食道炎の中で多いのが「逆流性食道炎」で、これまでは高齢者に多くみられましたが、最近では若い人にも増えてきました。放置すると潰瘍に進行し、食道がんのリスクも高くなります。便秘が原因のひとつとされており、食生活にも注意が必要です。肝硬変患者の3大死因のひとつとなっているのが「食道静脈瘤」です(そのほかは肝がん、肝不全)。食道粘膜の下層にある静脈が太くなり瘤のようになった状態です。これは「門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)」が原因となって発症します。「門脈」とは、腸で吸収された栄養素を肝臓に送り込む血管のことで、門脈を通して取り込んだ栄養は肝臓で処理されて全身に運ばれます。
しかし、肝硬変になると血液が流れにくくなり、それまで門脈を流れていた血液は、本来のルートからはずれて食道の血管を流れるようになります。食道への血流が多くなる結果、血管が船のようにふくれあがって食道静脈瘤になります。手当が遅れると瘤が破れ大出血してショック死をすることもある怖い病気です。胃の粘膜の炎症でおきる「胃炎」は、急性胃炎と慢性胃炎に分けられ、急性胃炎は喫煙、暴飲暴食、アルコール飲酒、ストレスが原因のものと、感染性(ブドウ球菌、アニサキス)があります。慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)、や加齢などの複数の因子が絡み合っているとされます。胃の粘膜にポリープができる「胃ポリープ」には、放置しても問題のない「胃底腺ポリープ」、比較的ピロリ菌が下人でなることが多い「過形成性ポリープ」、正常組織よりがんを発症しやすい前がん病変と考えられている「胃腺腫ポリープ」などがあります。
消化官のおもな病気
口腔
歯周病・口の中の腫瘍・嚥下障害など
食道
食道炎・食道静脈瘤など
胃
胃炎・胃ポリープなど
十二指腸
十二指腸潰瘍・十二指腸炎
小腸
クローン病・小腸腫瘍など
大腸
大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎など
肛門
痔核疾患・痔ろう
★生命の設計図といわれるDNA
★細胞には2通りの死に方がある!?
★貧血はどうして起きるの?
★がんって本当に遺伝するの?
などなど気になるタイトルが目白押し!
シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「病理学」について切りこんだした一冊。病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」です。コロナウイルスが蔓延する中で、人はどのようにして病気になるのかが、改めて注目されています。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊です。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』
著:志賀 貢
病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊。細胞、血液、がんーー生命の不思議と病気の原因を、面白くわかりやすく探る!
公開日:2023.08.04