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憧れるスイングと自分のスイングは分けて考えよう【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

Text:タケ小山

アマチュアの人はとかくスイングにこだわるけれども「ちょっと待てよ」というのが私の本音です。たとえば私、タケ小山の体型でローリー・マキロイのスイングになるかといったらならないんですよ。だったら自分に合ったスイングをすべきだし、そのためには同じような体格、体型の選手のスイングを見つけてそれに近づくように練習したほうがいいんです。私は自分のスイングを「ストマック(お腹)スイング」なんて呼んでいますけれど、それは文字通りお腹がポコッと出ているゴルファー向けのスイングであり、クレイグ・スタドラーやイアン・ウーズナムがやっているスイングに他ならないんです。冗談のようで実は冗談ではなく、自分には彼らのような全身を同調させ て打つ回転系のスイングが合っていると思うからそれを追求してきただけのこと です。

タイガー・ウッズやローリー・マキロイはコイル系で下半身を止めておいて上体を限界までねじっていきますが、そういうスイングは私にはできないし、やったとしても空中分解するでしょう。ところがアマチュアの中にはそういう世界のトップ選手のスイングを真似たがる人が少なくありません。その結果がどうなっているかというと、統計はありませんがコースで良いパフォーマンスができているケースってほとんどないのではないでしょうか。それは当たり前の話で、体型も違えば身体能力も違うのです。 特別なトレーニングを積んでいないアマチュアが体を限界までねじってエネルギーを貯め、それを爆発させて打つということができるはずがありません。万が一練習場でできたとしてもそれがコースでできるでしょうか?つまり憧れるスイングと自分のスイングは違うということなんですよ。

ですから上手くなるためにはまず自分が目指すべきスイングの選手を見つけることです。自分の背丈や体型と似ているという条件の中で「こういう風に打ちた い」という選手を見つけるのです。それからそのスイングに関する情報を集め、近づいていく努力をしてください。また、アマチュアの人が勘違いしていると思うのは、たとえば「オーバースイングはダメだ」「シャフトクロスはダメだ」と決めつけてしまうことです。なぜならオーバースイングもシャフトクロスもプロゴルファーの中には大勢いるからです。そのスイングでプロレベルになって、なおかつ賞金を稼いでいる人たちがいるのにダメだということが言えるわけありませんよね。逆にバックスイングが上がらずに悩んでいる場合もあると思いますが、そういう人はショートバックスイングで活躍している選手を目指せばいいんです。シャフトクロスだっていいじゃないですか。ゲーリー・プレーヤーだってアーノルド・パーマーだってクロスしていますよ。トム・ワトソンやジャック・ニクラウスも然り。要は自分のスタイルを作り上げればいいんです。

いまの日本の先生はみなレイドオフなバックスイングを教えるけれども、それでパワーを出せなくなる場合もあるんですよ。ゲーリー・プレーヤーは「シャフトクロスするからヘッドが体の近くを下りてきて、その結果パワフルに打てる」と教えるし「なぜいまはレイドオフばかり教えるんだ」と怒っているぐらいです。流行りのスイングを追いかけている人の中には「イマドキのクラブを昔のスイングで打つと上手く打てない」という考えがあるみたいですが、そんなことはないんですよ。むしろレイドオフにすることでみすみすポテンシャルを手放してしまうこともあるんです。ですから流行に流されないということが大事ですよね。自分にできないことを追い求めないことです。たとえば松山英樹プロや石川遼プロのように、前傾姿勢が崩れずフォローで腕がまっすぐ伸びるようなスイングをしたいと思っても、それがあなたに合うとは限りません。トーナメントで勝っていない選手の中にも良いスイングの選手はたくさんいるんです。ぜひとも自分の身の丈に合ったスイングを見つけてください。それがタケ小山の願いです。

【書誌情報】
『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』
著者:タケ小山

ゴルフスイングの習得に熱心になるあまり、スコアが二の次になっているアマチュア・ゴルファーが多い昨今。「残念ですが、こういう“スイング道”信者はスコアは作れない」と著者は言う。では、肝心のスコアメークの方法は? 本書では、ショット、アプローチ、パッティング、マネジメント、スコアアップの5項目でその方法を解説。2019年の新ゴルフルールの活用法など、具体例を上げて、わかりやすく紹介している。タケ小山流スコアの作り方が満載の1冊!

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