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テレビはどんな仕組みで画面が映っているの?聞き覚えのあるカラーテレビの三原色とは【図解 化学の話】

Text:野村 義宏 澄田 夢久

テレビの不思議

2019年(令和元年)から放映されているアニメ『Dr. STONE』は、全人類が謎の現象で一瞬に石化し、その3700年後、ある科学少年が友人と文明をゼロから築き上げていくという壮大な物語です。この物語の「科学の眼」放映回では、レーダー&ソナーをつくる際に「ブラウン管テレビ」の話が出てきます。実際にもテレビは、このブラウン管から歴史がはじまったわけです。テレビは、テレビカメラで写した映像を電気信号に変え、テレビ局のアンテナから電波として送信し、それを家庭のアンテナが受診して受像機、つまり画面に映し出すわけです。また、カラーテレビ画面には、R赤、G緑、B青の光が一組になって並び、明るさを変えて色を出します。光の三原色です(図1)。仕組みは、まず3色1組を左上から右へ順繰りに点滅させます。点滅する「点」の集合した「行」が走査線。この走査線を奇数行、偶数行と1行おきに60分の1秒の速さで画面下へ順番に上から走らせる。これは60分の2秒で1枚の画像を送ることになるわけです。テレビは、こうした方法で1秒間に約30枚の画像を送って動画としている。なんともパラパラ漫画によく似たり、ですね。ただし、画面の鮮やかさは、水平画素数、垂直画素数(走査線)の数によってまったく変わります(図2)。画像には画素数と解像度という言葉がよく使われますが、画素とは画像の最少単位(ピクセル)のことで、画素数とはその数を表し、解像度とは色情報を持つ1インチ当たりのピクセルの密度を表すものです。

ところで、ブラウン管テレビのアナログ放送は2011年(平成23年)に終了し、LCD液晶テレビのデジタル放送に完全に切り替わりましたが、そのアナログとデジタルの違いとはなんなのでしょう。アナログ放送は、テレビに流す情報を「連続の量」として処理し、電波を波のまま送信する方式です。一方、デジタル放送は、0と1で構成されるデジタル信号で情報を送る方式です。アナログとデジタルを時計に置き換えて比較すると、アナログ時計は、1秒1分と「連続する情報を目で見える量で表すもの」ですが、デジタル時計は「連続する情報を段階的に切り取ったもの」となります。つまり、デジタルは数字をまとめることができるため、短時間で情報量の集積が可能となるというわけです。それにしてもテレビ画面の鮮明化技術は進歩し続けています。いまでは4Kや放送番組は少ないものの4Kの4倍の解像度といわれる8K画面を楽しめるようになっているのです。

カラーテレビの三原色

RGB(Red赤・Green緑・Blue青)の光の三原色の組み合わせで色をつくる。

原子力発電の仕組みと燃料集合体『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』

テレビ画面と画素数の違い

現在のテレビ画面の主流はTFT(薄膜トランジスタ)液晶パネルだが、大型テレビでは有機ELテレビが、次世代テレビとして注目されている。液晶テレビはバックライト(以前は冷陰極管が使われていたが、現在はLEDが多い)を光源に画面の明度を調整するが、有機ELテレビは有機物の発光を利用して画面の明るさを調整する。バックライトの光源がないためコントラストの鮮やかな画面となり、本体もより薄型となる。

軽水炉での核分裂『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』野村 義宏・澄田 夢久

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 化学の話』
野村 義宏 監修・著/澄田 夢久 著

宇宙や地球に存在するあらゆる物質について知る学問が「化学」。人はその歴史の始めから、化学と出合うことで多くのことを学び、生活や技術を進歩・進化させてきました。ゆえに、身近な日常生活はもとより最新技術にかかわる不思議なことや疑問はすべて化学で解明できるのです。化学的な発見・発明の歴史から、生活日用品、衣食住、医学の進化までやさしく解明する1冊!

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