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スピンへの憧れは捨てなさい!転がして寄せよう!【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

Text:タケ小山

プロゴルファーにとってグリーン周りからのアプローチはアップアンドダウン、つまりグリーンの手前から寄せてカップに沈める、という一連の流れのようなものです。パッティングも含めたコンビネーションなんですね。7割方パーをキープできないとシード選手にはなれません。もちろんアマチュアにそれだけのパーセンテージは必要ありませんが、グリーン周りから5割のパーセーブを目標に練習すると、自ずとスコアアップは達成できると思います。コンビネーションですから、アプローチショットだけに負担をかける必要はありません。2メートルに寄せて後はパッティングで頑張るぐらいの気持ちで十分でしょう。

グリーン周りからのアプローチは相手を見なさい、という話をしましたけれど、ここでまとめておくと、まず球の止まる条件というのは、グリーンが柔らかい、逆目、上り傾斜、そしてアゲンストですね。ボールのライに関しては順目で濡れていない、ということがあります。これらの条件が整っていればボールを止められるわけですが、正直な話、プロにとっては止めるほうがやさしいというのはあるんですよ。物を投げるのと一緒で、プロならピンの根元まで10メートル、15メートル、20メートルという打ち分けはできるわけですから、条件がよくて、寄せればいいというときにはピッチショットでピンの根元に落とします。ただ、止めるということは球足を使わないということなので、カップインする確率は減るのも事実。テレビ中継の名場面集なんかで直接カップインするシーンが流れますが、あれは球足を使っているケースのほうが多いですよね。

ですから入れたい場合にはチップショット(ランニングアプローチ)というやさしい選択をしないこともあります。しかし、アマチュアにとってピッチショットというのは一か八かです。とりあえず2段グリーンの上の段までボールを運ぶときなどには使えるかもしれませんが、ピンまで2メートルに寄せる精度を保つにはそれなりのテクニックが要りますし、ミスショットも多いので、避けたほうが無難だと思います。「自分はピッチショット得意ですよ」という人もいるかもしれませんが、ピッチショットは落とし穴が多いんです。たとえば打ち上げのアプローチをピッチショットで寄せようとするじゃないですか。打ち上げは逆目の場合が多いからザックリをやるんですよ。やらなかったとしても、逆目だとスピンが入らないこともあるので、ピンに落としたものの止まらずグリーンオーバーなどということも起こり得ます。

芝目というのは基本的に水の流れと同じですから、高いところから低いところに目は行っているんですよ。ですから砲台グリーンのアプローチは逆目、打ち上げのアプローチのグリーン面も逆目なんです。逆目だからチャックリが出るし、上手く打ててもスピンの入り方が不安定だし、落ちてすぐ止まってしまうから大ショートすることも多いんです。このように、アマチュアにとってあまりいいことはないんですね。何が言いたいかというと、スピンアプローチを打って自己満足しているような 人は、スイングを作ることばかりに熱心で、スコアメイクがおそろかになってい る人と同じだということです。本末転倒なんですね。ピンから2メートル以内に寄せるには転がすことですよ。パターで打てれば最高、それが無理なら、どこに落として転がしていくかというルートを見つけてく ださい。

【書誌情報】
『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』
著者:タケ小山

ゴルフスイングの習得に熱心になるあまり、スコアが二の次になっているアマチュア・ゴルファーが多い昨今。「残念ですが、こういう“スイング道”信者はスコアは作れない」と著者は言う。では、肝心のスコアメークの方法は? 本書では、ショット、アプローチ、パッティング、マネジメント、スコアアップの5項目でその方法を解説。2019年の新ゴルフルールの活用法など、具体例を上げて、わかりやすく紹介している。タケ小山流スコアの作り方が満載の1冊!

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