「手首100+体0」から「体100+手首0」まで
【部位】両手首 【機能】クラブを動かす
無限の組み合わせから自分のパターンを選ぶ
仮に、体を止めて、手の位置を固定し、手首の動きだけでヘッドがスイングプレーン上を動くように、振ってみましょう。グリップする向きが決まっているならば、プレーン上を動かすための手首の動かし方は、一通りしかありません。次に、ヒジの曲げ伸ばしを使って手を動かし、ヘッドを動かしてみます。手首の動きをなくすこともできるし、手首の動きでさらにヘッドの動く量を増やすこともできます。
次に肩を回し、その次は腰も回し、股関節、ヒザ、足首……と使う部分を増やしていってみましょう。手首についてはごく小さい動きでヘッドをプレーンに乗せておける動かし方もあるはずです。いうならば「手首100対体0」から「手首0対体100」という組み合わせまで無限のパターンがあり得ることになります。
そのなかで自分にとって一番再現性の確率が高くなるのはどのパターンなのか。それを探すのが、スイングづくりだと思います。無限にパターンがあるわけですから、探すのもとても手間のかかる作業になります。多くの人は、様々なパターンを探したりせず、マイナーチェンジだけで「自分のスイング」を見つけようとしていますが……。
まずは実際に両極端を試してみてほしいのです。答えはその間のどこかにあります。それをこの本ではいろいろと説明していきます。「試す作業」の範囲を広げてみていただければと思います。
●「手首100対体0」
体を一切動かさず、手首だけでクラブの動きをつくる。これでもボールは真っすぐ飛ばせる。この動きもできていて損はない。
●「手首0対体100」
手首を一切使わず、その他の部分を動かして、オンプレーンスイングをつくる。これでもボールは真っすぐ飛ばせる。しかし、自分最高飛距離はもっと先にある。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2023.12.23