どんなタイプがある? 植物育成ライトの種類
蛍光灯からLEDへ。植物育成ライトの変遷
植物の成長には、本来、太陽光と二酸化炭素による光合成が必要不可欠ですが、太陽が出ていないときや日が当たらない場所では、太陽光の代わりに照明を当てて光量不足を補う必要があります。そこで役立つのが、植物育成ライト。今でこそ、家庭内の電気も含め、私たちの身の回りにはLEDライトがあふれ、自宅の植物栽培用の光源としても、LEDが人気になってきました。しかし、もちろんLEDの登場で初めてライトによる植物栽培が始まったわけではありません。古くは白熱電球が栽培用に使われていました。ただ、白熱電球は暖色の光であるため、青色のスペクトルを含まない点で、植物育成には最適な光源とは言えませんでした。植物が光合成で使う光は、おもに赤色と青色の波長の光だからです。
LEDが植物育成ライトとして使われる以前、植物育成ライトの中心は、ハロゲンライト、HIDランプ、蛍光灯などでした。それぞれ太陽に近い光を出すことができますが、蛍光灯は寿命が短かったり、HIDランプやハロゲンライトは熱放射量が多かったりと、なかなか家庭で使用するには扱いが難しいライトでした。LEDの技術が発展し、植物育成に適した波長の光を効率的に提供することが可能になったことと、消費電力が少なく、発熱量も非常に少ないといった特性など、家庭での室内栽培に大きな可能性を広げたのがLEDライトだと言えるでしょう。
TYPE OF LIGHT1:LEDライト
植物育成用の光源として、現在主流となっているLEDライト。発光ダイオードを使用し、エネルギー効率が高く、長寿命であることが特徴。植物が必要とする光のスペクトルを提供できるとともに、特定のスペクトルを強調することも可能です。
TYPE OF LIGHT2:蛍光灯
蛍光灯は管内の水銀蒸気に電流を通し、紫外線を発生させ、その紫外線が管内の蛍光物質に当たることで可視光を発する照明装置です。LEDライトの実用化以前は、植物工場などで多く使われていました。ただ、寿命が短いのが欠点です。
TYPE OF LIGHT3:ハロゲンライト
白熱電球と同じくフィラメントに電流を通して発光させるハロゲンライト。ガラス球内部にハロゲンガスが封入されており、フィラメントとの化学反応を利用して、効率と寿命を向上させています。発熱が多いため、扱いにくいのが欠点です。
TYPE OF LIGHT4:HIDランプ
電極間の放電を利用した高輝度放電ランプ。メタルハライドランプや高圧ナトリウムランプ、水銀ランプなどの種類があり、高効率で明るいため、スタジアムの照明としても使われています。ただ、高価で発熱が多く家庭での使用には向きません。
【出典】『LED LIGHT 室内栽培基本BOOK』著:日本文芸社(編集)
【書誌情報】
『LED LIGHT 室内栽培基本BOOK』
本書は、観葉植物の歴史から最新のLEDライトを使った室内栽培法まで、幅広く解説した一冊です。古代文明から続く観葉植物の文化は、現代においても多くの人々に愛され、特にLEDライトの普及により、室内でも多様な植物が栽培可能となりました。光の重要性や具体的な栽培方法を紹介し、実際にLEDライトを使って栽培を楽しむ人々の成功例やアドバイスを掲載。初心者から上級者まで参考になる内容が詰まっています。
公開日:2024.10.01