体の真正面でクラブを保つ時間はトップでつくられる
トップはバックスウィングの終点であると同時に、ダウンスウィングの始まりです。バックスウィングよりもスピードの速いダウンスウィングで、一度、円運動の軸である氣から外れた手や腕、ましてクラブを正常に戻すのは容易なことではありません。
そのような観点からトップの意味を考えてみます。
荒川先生の教えを通じて、現時点で私なりの考えをまとめるとこうなります。スウィングで重要なのは、どれだけ長い時間、クラブを体の真正面に置いておけるかどうかです。特にダウンスウィングからインパクトでは、体の真正面に あり続けるクラブが、体の真正面でボールをつかまえることが重要になります。 このクラブが真正面にある時間をより長くすることが、トップの役割、意味だと思うのです。そのためにはトップまで絶対にクラブを、体の真正面から外さないことが重要だと私は考えます。
そのために両脇にタオル、あるいは両腕にゴムボールをはさんだり、5キロ程度のメディシンボールを後方に投げさせる練習はとても効果的です。捻転差は大きくても、手の動きは小さくて構いません。腕や手はなによりも体の真正面で一体感が重要です。
【書誌情報】
『ゴルフのトップコーチが教えるスウィングの真髄』
著者:辻村明志
上田桃子、小祝さくらプロをはじめ、女子のトッププロたちをコーチしている本書の著者・辻村明志氏。王貞治選手の一本足打法を作り上げた故・荒川博氏に師事し、ゴルフ指導に取り入れたことは有名だ。本書は、荒川氏から受け継ぎ、コーチングに活用している「氣のスウィング理論」を解説するもの。「氣は心を動かし、心が氣を動かす」という、同氏の考えに基づき、氣の力をゴルフスウィングに活かすことを目的に、その方法をイラストと写真を使いわかりやすく紹介する。
公開日:2020.06.29