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表情から知性と教養や情の豊かさを見る【改訂版 基礎からわかる 人相学の完全独習】

Text:黒川兼弘

表情から知性と教養を見る

顔の表情には知性と教養が表れます。まずは額。縦横の広さがとても大切です。次に目鼻立ちが整っていること、目は涼やかで切れ長、聡明な感じの瞳がいいでしょう。通った鼻筋に高めの鼻と、引き締まった口元、顔が大和分割(45ページ参照)だと理想的です。

その人が持っている価値観で、知性と教養が決まると言っても過言ではありません。簡単に言えば、何にこだわりを持って生きているかです。お金か、名声か、世間体か、自分の生き方か、精神的な豊かさか、人それぞれにその優先順位も違います。十人十色、顔にはその人の価値観のすべてが表れます。

人間の品性が問われる大切なポイントは、善悪の判断です。いくら頭がよく、器が大きくても、この判断が甘い人は、必ず最後に自分の身に災難がふりかかってきます。次に大切なポイントは美醜の感覚です。あらゆる美しいものが好きな人は、人生で道を踏み外すことは少ないでしょう。汚い家に住んだり、汚い格好をしたりすることを嫌い、よく働き、心が清らかな状態を好むため、文学、芸術、25絵画などに親しみます。こうして知的レベルは上がり、自然と顔に知性と清潔感があふれ、品が出てきます。

表情から情の豊かさを見る

顔の表情を見れば、思いやりがあって優しい人か、自分のことしか考えない利己的な人かは誰でも見当がつきます。顔の表情が笑っていても、目が笑っていない人は油断できないと言われますが、心の底から本当に思いやりがある人と、上辺だけの思いやりを見せる人を見抜くには人生経験が必要です。

人の本質を見抜こうと心がけることは大事ですが、見抜く側の自分に思いやりや温かさがなければ、相手の温かさも理解できません。つまり、自分が人間的に成長していかなければ、他人を見抜くことはできないのです。

情の豊かさが表れるのは目と口とあごです。慈愛にあふれた思いやりのある瞳、上唇が少し厚めで締まり、縦のしわ「歓待紋」(111ページ 参照)がある口、骨張っていない、ふっくらとした肉付きのよいあごでわかるでしょう。

情の豊かさは人情の機微に通じます。相手の立場に立って物事を考える習慣がつけば、善きにつけ悪しきにつけ、他人の心が手に取るようにわかるようになり、人間関係がとても楽になります。

【出典】『改訂版 基礎からわかる 人相学の完全独習』著:黒川兼弘

【書誌情報】
『改訂版 基礎からわかる 人相学の完全独習』
著:黒川兼弘

「人を見抜く方法」は、外面に表われている印象や雰囲気、顔の造作を形作っている一つひとつのパーツ等から、判断することが基本となります。

人の顔は百人百様、千差万別ですが、よく観察し、分析、整理していくと、顔のパターンや共通点が見えてきます。その共通点と性格、考え方の関係性のデータを数千年に渡り積み上げて作られた学問が、人相学なのです。

ぜひ本を参考に、顔つきからその人の内面や性格の癖を見抜く力を養い、相手の立場を想像し、広い視点で人間関係を豊かにしていただきたいと思います。

2018年小社刊行の『基礎からわかる 人相学の完全独習』を再編集したものです。

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