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同じ人間のコピー(クローン)をつくることはできる?【眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話】

Text:安藤寿康

同じ人間のコピー(クローン)をつくることはできる?

技術的につくることはできるが…

SF作品では比較的ポピュラーな存在として登場することの多い「クローン」。一昔前はそれこそ空想世界の技術でしたが、1996年にイギリスで世界初となる体細胞を使ったクローン羊の「ドリー」が誕生したことにより、空想は一気に現実のものとなったのです。「ドリー」の登場からまもなく30年を迎える今、クローン技術はどこまで進歩しているのでしょうか?

じつはドリーが生まれる以前にもクローン技術によって誕生した生物は存在しました。こちらは「受精卵クローン」と呼ばれる技術で、受精卵を分割して人工的にふたごや三つ子を作り出す方法です。羊や牛といった家畜に対しても用いられています。一方、ドリーを生み出した「体細胞クローン技術」は、受精卵の代わりに体細胞を使い、細胞の持ち主である個体とまったく同じ遺伝子を持つクローンをつくり出す技術です。理論上は無限に複製が可能であり、絶滅動物や絶滅危惧種の復活、保存などにも応用できると期待されています。

2018年、中国で霊長類初となるカニクイザルのクローンが誕生しました。技術的には人間への適用も不可能ではないという声も多く聞かれますが、日本を含む先進各国は体細胞クローン技術の人への適用については倫理的な問題も含め、まだまだ慎重なようです。

体細胞クローン技術によるクローン体のつくり方

この技術を用いて1996年にイギリスで世界初のクローン羊の「ドリー」が誕生しました。その後、牛や豚、犬などでも同様のクローンが生み出され、2018年には霊長類初となるカニクイザルのクローンが中国で誕生しています。

クローン技術の人間への適用に関する各国の状況

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』著:安藤 寿康

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 遺伝の話』
監修:安藤寿康

≪累計300万部突破!『眠れなくなるほど面白い図解シリーズ』≫
環境や努力は遺伝に勝てない!?行動遺伝学者が語る“遺伝のタブー”を図解でわかりやすく解説!【遺伝の話】

「生まれ持った才能」「容姿の格差」「親ガチャ」…誰しもなんとなく気が付いて受け入れているものの、表立ってその違いを口にすることはタブーとされがちな遺伝の話。
近年、インターネット上でもさまざま議論がなされ、「遺伝」に関する話題は注目を浴びています。

一般的に遺伝といえば、身長や体重、髪の毛や瞳の色といった身体的特徴が親から子に受け継がれることを指し、遺伝学とはこういった特徴が次世代にどのように引き継がれるかを研究する学問です。その中でも特に、遺伝と環境が人の成長にどう影響しているかを解明していく分野を「行動遺伝学」といいます。
本書では、行動遺伝学の第一人者である著者が遺伝にまつわるさまざまな気になるギモンをわかりやすく解説します。

「親から遺伝するもの、しないものって何?」「そもそも遺伝ってどういうしくみ?」という基本的な知識から、「収入と遺伝は関係がある?」「容姿の差による格差ってどれくらい?」「遺伝で決まっているから環境や努力ではどうにもならない?」「生まれで9割決まっているって本当?」など、漠然と言われているけど誰も正直に答えてくれないような話題まで、徹底解説!

誰しも避けて通れない遺伝の真実を、わかりやすく、そして正しく知ることができる一冊です。

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