“地震、雷、火事、親父”より飛行機が怖いのは「ネコ」!?【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

花火大会

ネコと飛行機の揺れ

世の中の怖いもの順に「地震、雷、火事、親父」がありますが、空を飛んでいる飛行機にとって地震はあまり関係ありません。一番恐ろしいのは火事、その次に恐ろしいものは雷です。一般的には雷雲や入道雲という呼び名のほうが多いようですが、航空界では積雷雲を意味するCb(シービー)の話題になると誰もが立ち止まって聞き耳を立てます。とくに梅雨明けや初夏の夕方に、「花火大会がある」といったらこの雷を意味します。「ピカッ」光る雲の美しさは自然が描く一幅の絵のようですが、遠く見るだけでだれも近づきません。花火といえば、本物の花火を上空から見ると色とりどりに光る小さな球に見え、夏のお盆の時期には、あちこちで本物の「花火大会」を見ることができます。

ところで、雷雲などない晴天にもかかわらず揺れることをキャット(Clear Air Turbulence の略で CAT)と呼んでいます。神出鬼没のネコのように突然揺れ出すのでぴったりの名前です。とくにホノルルや米国西海岸方面は、ジェットストリームによる追い風を求めて飛行ルートを選ぶため、このCATに遭遇することが多いようです。そのために、この路線ではパイロットによるポジションレポート(通過地点を管制機関に通報すること)のときに、他機にも情報が流れるように揺れの情報もあわせて通報しています。

ネコと飛行機の揺れ

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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