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現代のクラブの機能を活かすには最大効率的による最適弾道が理想的!【一生ブレない身体のスイング/永井延宏】

Text:永井延宏

インパクトの要点は「最大効率」から「最大圧力」へと変わりました

クラブと自分のやり取りにおいて、自分が左にいて相手(クラブ)に負けない体勢をとることで、より左寄りのインパクトポジションになり、形としてはハンドファーストインパクト、エネルギー的にはボールに圧力をかけることが重要になりました。クラブの機能を活かし最大効率的による最適弾道が理想という考えから「最大圧力」という表現が登場し、ツアープロはジムワークに励むようになりました。

この背景にはボールの低スピン化があります。ボールの開発は両端に特化していると言われていて、ドライバーの低スピン化による飛距離アップとアプローチのスピン性能は追求されていますが、アイアンショットのスピンコントロールや距離の打ち分けがやりやすい方向への開発は盲点となっているのです。ですから、アイアンではゴルファーによる積極的なスピンコントロールが求められています。

またツアーのコースセッティングは厳しくなり、カップのある6畳とも4畳半ともいわれる狭いエリアに打っていかなければなりませんし、グリーンの傾斜を利用しスピンをかけて戻すといったショットも要求されます。そんな中でツアープロは「モアスピン」の競争になっていて、同じ150ヤードを8番アイアンで打つとしても、スピン量の多い選手のほうが強いという評価があります。そういう技術のトレンドとギアの方向性は当然合致していて、たとえばUSPGAツアーの選手はドライバーのロフトを増やしてダウンブローに打つようになっていたりします。USLPGAはアッパーブローで「最大効率」の世界ですが、USPGAは「最大圧力」に移行しています。

これが何を物語るかというと、大型ヘッドのメリットを受けるには左側でクラブを支えていなければならず、その結果ヘッドの最下点がボールより前にあるということで、それが圧力をかける技術です。現在、女性ゴルファーにとってドライバーが一番簡単なクラブになっているという事実もあり、ドライバーは打てても地面の上から打つアイアンが飛ばないというのは、しっかりとボールに圧力をかけられていないからで、アタックアングル(入射角)をコントロールできるインパクトを身に付けないといけません。

そのとき、スイングをトップから180度ダウン+180度アッパーの360度の円運動とイメージしていると上手くいきません。いまのクラブにマッチするスイングはトップから270度下りていって、最後の90度で上向きになる360度というのが本当の姿です。外から見ればゴルフスイングは間違いなく丸い円運動ですが、少なくとも後者は円のイメージではないのです。

【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏

ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。

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