量ではなく質に頼る練習を
朝から晩までボールを打って、疲れてもう打てないというところからが質的な練習になってきます。確かにそうですが、見方を変えれば、伝説のボールストライカー、モー・ノーマン(カナダのプロゴルファー。1929年〜2004年)が朝から晩までボールを打ち続けることができたのは、それが可能なシステムがまずあったからだとも言えると思うのです。それは表層の筋肉群で繕った外側だけのスイングではできないことです。
私も実際にモー・ノーマンのデモンストレーションをこの目で見ました。当時はまだその術が理解できず、ただまっすぐ飛んでいくボールに感嘆するだけでしたが、目で見えるものへのこだわりを超えた部分を見ていかないと、モー・ノーマンの術は理解できません。
そのシステムを解き明かすキーワードとなるのが「入れ替え」であり、身体が最大、クラブが最小という概念です。馴染みのない言葉、概念なので戸惑われるかとは思いますが、これが量ではなく質に頼る練習をしていくうえでの論理基盤となりますので、完全に理解できなくても、ぜひ頭の中に入れておいていただければと思います。
【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏
ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。
公開日:2020.08.27