子どもの“そしゃく力”が弱くなっている!? 乳幼児期からやっておきたい「あぎあぎ」とは?【歯並びをよくする離乳食・幼児食】


「あぎあぎ」でそしゃく力をつける
「あぎあぎ」という言葉をご存じですか?これは、子どもにしっかり噛むよう声がけするときに使う言葉。最近では、歯科医だけでなく保育園や幼稚園などでも「あぎあぎしようね」という言い方を取り入れているようです。
食事をしっかり食べる様子を表す擬態語というと、「モグモグ」「パクパク」などが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。ただ、これらの言葉を実際に口にしてみると、口が上下にしか動きません。ですが、食べ物を噛むときは、あごを上下に動かすチョッピングそしゃく、奥歯ですり潰すグラインディングそしゃくがあります。
「あぎあぎ」を口に出してみると、「あ」のときに口が開き「ぎ」と言うときに口が横に開き、口のなかの物をすり潰すときの動きができることがわかります。口に入れて「あぎあぎ」をすると、自然と縦にも横にも歯を動かしながら噛めるようになるはずです。ぜひ「あぎあぎしようね」と伝えてみてください。
しっかり噛んでそしゃく力をつけることは、ごや口をきちんと発達させるためには欠かせない要素です。また、噛む回数が多いほど、唾液もよく出ます。唾液は食べ物の消化・吸収を助け、抗菌作用、歯の再石灰化作用による虫歯を予防し、食塊形成にも重要な役割を担います。「よく噛んで」と言っても理解できない小さな子には、あぎあぎあぎ……と、リズミカルにたくさん噛むようにさせましょう。
よく噛める「あぎあぎ」と声かけを
最近は、やわらかい物が好まれる傾向が強くなっており、子どもの「噛む力」がどんどん弱くなっています。ですが、しっかり噛むことは心身ともに健康に生きていくための大切な行為。しっかり噛むことには、たくさんのメリットがあります。心身が大きく発達段階にある乳幼児期からしっかり噛む習慣をつければ、いうことなし!
「あぎあぎ」と声かけをして、そしゃく力をつけましょう。

食べる力を強くする3大ポイント
① よく噛む
リズミカルにしっかりと噛むことで、あごも発達します。唾液もよく出るので消化・吸収を助けます。たくさん噛むことで、脳が活性化されて、集中力や記憶力もアップします。
② 良い姿勢
食べるときの姿勢も大事です。足がしっかりと床についていると、噛むときに必要な力を入れることができます。床につかないときには、踏み台を使っても。机とおなかの間はこぶしひとつ分空けます。
③ 楽しい空間
子どもだけ先に食べるなどの孤食はやめて、家族で食卓を囲み、楽しい空間にしましょう。子どもは親の真似をするので、親も姿勢良く、よく噛むように心がけるといいでしょう。

【出典】『歯並びをよくする離乳食・幼児食』著:杉原麻美/藤原朋未
【書誌情報】
『歯並びをよくする離乳食・幼児食』
著:杉原麻美/藤原朋未
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