【踏み圧】廣戸聡一による動作レクチャー解説
垂直に踏み、両脚を使って上面に圧力をかける。「ため」と脚を動かす「意志」が重要。
「踏み圧」とは、安定を伴って、垂直にしっかりと踏むことで感じられる圧のことです。跳ぶ、着地するといった跳躍動作のほかにも、泳ぐ、走るといった動作でも必要とされます。たとえば「走る」動作では、片足で踏んで、もう一度踏みに行くことを繰り返しています。それを左右交互に行うことで走っているのです。「踏み圧」を求めることで、「面の入れ替え」に対しての出力(地面反力)を得ることができるため、より幅広い動きを求めるにも重要な要素と言えます。
●正しい「踏み圧」5カ条
「踏み圧」を動作に生かすために必要なポイントをまとめました。
①土踏まずで地面を垂直に踏む
頭蓋と土踏まずを通る軸で、垂直に踏みます。垂直に踏んでいくことに関しては、どのタイプも同じです。
②水平地を垂直に踏んでいれば、両足は同圧である
トランスフォームで力の配分が変わることはありますが、水平な地面を踏むことに関しては、左右同じ圧力の使い方をします。
③空中にいても踏み圧は抜かない
トランポリンプレーヤーは、空中でも踏み圧は抜いていません。空中で踏み足の感覚を抜くと、身体のコントロールが利かなくなってしまうからです。
④水中にいても踏み圧は抜かない
泳いでいるときも、踏み圧は抜いていません。水中で踏み足の感覚を抜くと、沈んでしまうからです。空中でも水中でも、結果的には「すり足」が行われています。武道の基本である「すり足」は、単に足を地面にこすりつけることではなく、圧感覚を抜かずに保つためのものなのです。
⑤身体が沈む=踏み圧が上がる、ではない
膝を曲げて身体を沈めていても、膝の力が抜けていれば、踏み圧はかかっていません。ジャンプをするために踏み込むのであれば、自分の感覚の中で、しっかりと踏むことが大切です。
●足の裏のパワーライン
「パワーライン」とは、この線に沿って踏み圧を意識することで、身体全体が動きやすくなるラインのこと。「ここで踏むとしっくりくる」というラインでもあります。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.06.01