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4スタンス理論におけるレスリングでのタックルの構え&片足タックルとは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

レスリング 競技別解説

体幹部の動きとステップワークで軸を奪う

レスリングなどの組手の基本は「自分が軸を作ることで相手の軸を失わせる」ことです。つまり、自分が軸を守って動くことで、相手が軸を失うように仕向けるのです。体幹部はもちろんですが、ステップワークで足や身体の位置を変えていきます。お互いが体幹を取り合っているときは、足でバランスを取ろうとすると簡単に倒されてしまいますから、常に軸練習を実践し、自分が嫌な条件に持ち込まれない術を身につけることが大切です。

また、「トランスフォームを続けざまに行う」ことも重要なポイントです。常に動ける姿勢をとり続け、「相手が動いたからディフェンスする」のではなく、相手が動いた瞬間にトランスフォームして自分の立ち位置や姿勢を変え、「相手が技に移行できないように仕向ける」のです。組手にはスピードやスタミナももちろん必要ですが、基本的にはリズム感と柔軟性、連動性を駆使することで、パワー頼みではなく、相手を制することができるのです。


競技の起源

レスリングは、紀元前数千年に描かれた壁画にも登場し、人類最古のスポーツとも言われる。古代オリンピックにおいても、神殿の前で行われるメイン種目として実施されたという。近代オリンピックでは1896年第1回アテネ大会より実施されているが、当時は無差別、時間無制限で行われた。

タックルの構え

軸を守り、相手のどんな動きに対しても対応し、相手に攻めさせないようにする。

【A1】前足軸でクロス
前足の膝とみぞおちを揃えて軸を作る。左右膝が対角側の肘と肋骨とに連動する。


【A2】前足軸で左右同調する
前足の膝裏とみぞおち裏を揃えて軸を作る。左右膝が同側の肘と肋骨とに連動する。


【B1】後ろ足軸で左右同調する
後ろ足の股関節裏に首の付け根の裏側を揃えて軸を作る。左右股関節が同側の肩と連動する。


【B2】後ろ足軸でクロスする
後ろ足の股関節に首の付け根を揃えて軸を作る。左右股関節が対角上の肩と連動する。


片足タックル

【A1】みぞおち前で捉える
みぞおち前で標的を捉える。両腕を相手の太ももに回し、みぞおち前へ抱きこむようにタックル。


【A2】みぞおち裏で捉える
みぞおちの裏側で標的を捉える。両腕を相手の太ももに回し、みぞおち裏へ抱きこむようにタックル。


【B1】首付け根裏で捉える
首付け根裏で標的を捉える。首付け根裏から肩を、相手の太ももから腰に密着させるようにタックルする。


【B2】首付け根前で捉える
首付け根前で標的を捉える。首付け根前から肩を、相手の太ももから腰に密着させるようにタックルする。


自分の体幹の特性を知ることが大切

道着ではなく、直接体幹部を接触させて行うレスリングでは、特に自分の体幹の特性を知り、どんな動きを徹底すべきか、またどこを守るべきかを理解することが重要です。

【クロス】
◎身体を対角に使うのが技の構成ポイント
◎ 頭蓋平面を維持するために、タックルではあごを引き気味にする

【パラレル】
◎左右を入れ替えることが技の構成ポイント
◎頭蓋平面を維持するために、身体の背面側に意識を持つ

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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