歯周病菌は肝臓にも悪影響
口の病気である「歯周病」と肝臓の病気である「糖尿病」。一見、まったく関係ないように思えるふたつの病気ですが、近年の研究で歯周病菌がインスリン抵抗性と関係が深いことがわかってきました。
インスリン抵抗性というのは、インスリンの感受性が低下し、いつまでも血糖値が高いままになってしまう状態のことを指します。歯周病によって歯茎から出血すると、歯周病菌が血管に入り込み、それが要因となってインスリンの効き目を悪くしてしまうのです。
また、食べ物と一緒に取り込まれた歯周病菌が肝臓に到達することで、肝臓がダメージを受けるという研究もされています。
歯周病菌は毒性が高いため、肝臓は解毒するために必死に働きます。この過程で肝臓がダメージを受けてしまうのです。
一方、糖尿病が歯周病を誘発することもわかっています。糖尿病によって血管がもろくなり血の巡りが悪くなると、体の抵抗力が弱くなって歯周病菌に感染しやすくなるのです。歯周病と糖尿病の関係は、まさに負のスパイラルと言っていいでしょう。
こうならないように、口腔のケアは非常に重要です。毎日しっかり歯磨きをして、歯周病にならないよう十分注意してください。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』
監修:栗原毅
新型コロナウィルスの影響でテレワークの導入や、不要不急の外出など、何かと家にいる時間が多くなっている昨今、問題視されている“酒量の増加”。運動不足な上に酒量が増加したことにより、太ってしまったり、々な健康数値に悪影響が出ている人も多くおり、その多くの人が『正しい飲み方』を知りません。本書ではそんなお酒を考える上でも最も大切な臓器である『肝臓』の働きから、必ず役立つ『最強の飲み方』まで、すぐに使える実用的な情報を幅広く紹介します。
公開日:2021.05.07