都会にいる人ほど「寝たいけれど、眠れていない」
OECD(経済協力開発機構)の統計(2018年:調査年は国によって異なり、日本は2016年)によると、1日の平均睡眠時間は、多くの国が8時間を超えるなか、日本は7時間22分と33ヵ国中ワースト1でした。
この調査から数年たった現在、日本人の睡眠時間はさらに短くなっています。監修者が代表を務めるブレインスリープ社の調査(2019年)では6時間40分と、42分も短くなっていました。
「睡眠時間6時間未満の人が40%」という厚生労働省の報告(2018年)もあるほどです。
起きている時間が長いから食べる量が増えるのではなく、睡眠不足により、食欲にかかわるホルモンが影響を受けているからです。
この背景には、働く時間や通勤時間が長すぎるといった日本特有の働き方にくわえて、24時間営業の店舗やインターネットの普及による生活の夜型化が挙げられます。なかでも東京は、「24時間眠らない街」ともいわれています。
東京やニューヨークなど世界の主要都市を対象に、平日の「実際の睡眠時間」と「理想の睡眠時間」をヒアリングした調査で、都会に暮らす人の睡眠事情が浮き彫ぼりになりました。「睡眠時間6時間未満の人」が東京には、多くいるのだとわかります。
眠らないことによる弊害は、さまざまな観点から指摘されています。睡眠は単なる休息ではありません。睡眠の価値を理解し、よりよい睡眠へ意識を向けましょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 睡眠の話』
監修:西野精治
ぐっすり、すっきりを同時に手に入れる。明日、人生最高の朝になる──。最先端の睡眠法で常識が変わる。今晩からできる睡眠革命! なかなか寝つけない、眠っても疲れがとれない、眠りが浅くて寝たりない──。多くの人が気になる睡眠のお悩み。スタンフォードに学ぶ最新の研究をもとに睡眠の科学的メカ二ズムを解明しました。つい人に話したくなる睡眠の新常識から、スムースな入眠のためのメソッド、睡眠習慣のつくり方まで、極上の眠りを手に入れる方法を、図解データとともにズバリ解説します。
公開日:2021.06.03