ストレス耐性は遺伝、性格、環境で決まる
ストレス反応は、ストレッサーという危険から自分自身を守るために起こる自然な生体反応です。しかし、例えば大災害のように多くの人が同じストレッサーに直面した場合でも、すべての人に同じストレス反応が表れるわけではありません。反応の表れ方は人それぞれ。激しい反応を示す人もいれば、穏やかな反応を示す人もいます。その反応の表れ方が激しい人ほどストレスに弱く、穏やかな人ほどストレスに強い人といえるのです。
なぜストレスに弱い人と強い人がいるのでしょうか。まずは前述のとおり、ストレッサーに対する認知的評価の違いがあります。出来事を脅威として捉える人はストレスに弱く、逆に自分を成長させるチャンスと捉える人はストレスに強いといえます。
さらに、遺伝や性格、環境の影響もあります。家族がうつ病を経験している人は、遺伝的にストレスに弱い傾向にあります。性格としては真面目な人、完璧主義な人、一人で抱え込んでしまう人はストレスに弱いようです。相談できる相手が少ない環境にある人は、他の人の意見や反応を得られないため客観的になれず、追い詰められやすいといえます。
また、仕事を強制されている人と、自由裁量で仕事をしている人とではストレスの度合いも大きく異なります。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 ストレスの話』
著:ゆうき ゆう
「ストレス社会」といわれている現在、
科学や技術の発達で快適になっていく日々の生活とはうらはらに、
ストレスからくる心身の不調に多くの人が悩まされています。
ストレスの原因は仕事や学校、家庭、SNSなど人によってさまざま。
特に最近では、新型コロナウイルスの影響で
これまでの生活様式が大きく変化し、何かと行動も制限されました。
それにより、たまったストレスをうまく発散できずに常にイライラしたり、
不安感がいつまでたってもぬぐえずあまり眠れなくなったり…
また、ストレスは自律神経を乱す原因になるため、
放置すると免疫力も下がり、体の不調を招くことになります。
近年20~30代に多く見られる「過敏性腸症候群」はそのひとつで、
病院に行って検査をしても異常がみつからないのに、
日々便秘や下痢などの腹痛に悩まされる病気です。
早いうちに対処しなければ、
毎日腹痛におびえながら生活しなければならないという
新たなストレスが加わって悪循環に。
本書では、そんな諸悪の根源であるストレスの解消法を医師が解説。
そもそも自律神経が乱れるまでストレスをため込まない男女別の考え方と、
たまってしまったらすぐに自宅で解消できる方法を、
メンタルマネジメントや栄養、運動など実用的な内容で紹介しています。
公開日:2021.08.02