ポジショナルプレーの概念
ポジショナルプレーの概念は、相手の背後(視野外)にいるフリーマンにボールを渡すことでゴールチャンスを作り出すことだ。ポジショナルプレーを実践するためには、相手の背後(視野外)にポジションを取り、位置的優位を獲得している選手に、ボールをパスしなければならない。もしくは位置的優位を獲得している選手を利用してスペースを作り、その空いたスペースを他の選手が利用することで相手の守備を攻略する。ポジショナルプレーは相手DFラインの背後に優位性を生み出すことから成り立っている。
相手DFラインの背後に優位性を生み出すとは、相手FWラインの背後、MFラインの背後、DFラインの背後に位置的優位を獲得した選手を配置することである。それはライン間にフリーマンを生み出すことを意味する(DFラインとGKの間をライン間と考えた場合を含む)。
サッカーの特徴をポジショナルプレー的に考えると、攻撃側は相手の背後にパスを通すこと、守備側は守備者の背後にパスを通させないようにしてボールを取り戻すことを目的としている。
ダイヤモンド・オフェンスはポジショナルプレーのつの方法論であり、ポジショナルプレーの概念を理解することが非常に重要だ。
相手の背後にフリーマンを生み出し優位性を獲得するには、相手の守備の配置によって攻撃側の配置も変化しなければならない。攻撃側が配置で優位性を獲得する位置的優位という考え方がポジショナルプレーの根幹となる原則である。
2つの最も重要なポジショナルプレーの原則(静的な配置、動的な配置)
ポジショナルプレーの方法論は選手の優位性を活かした配置である「静的な配置」と、選手が動くことでスペースを作り出し、そのスペースを利用する「動的な配置」の2つに大きく分かれる。
●静的な配置
ボールを動かすことで、相手を動かし、ボールに相手を引きつけることでスペースを作り、その空いたスペースから攻撃を仕掛ける。ボールを循環させることによってスペースを作り出すための配置。
●動的な配置
攻撃の選手が動くことによって相手も動き、それによってスペースを作り出し、他の選手がその作り出したスペースを埋める(利用する)。
『著名人の言葉』
セサル・フラッタロラ(サッカー博士。元ルイス・エンリケのアドバイザー)
「サッカーは相手のラインの背後にボールを通すスポーツだ」
出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭
『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭
日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。
公開日:2021.11.04