勘定のときに「おあいそ」はNG?
「おあいそ」の正しい意味
寿司屋など飲食店で勘定を済ますとき、「おあいそお願いします」という人が多いものですが、この言葉遣いは正しいのでしょうか。「おあいそ」とは漢字では「お愛想」と書きます。「お愛想」とは(お店側が)「本日は来店いただきありがとうございます。愛想がなくて申し訳ありません」という意味があります。
「おあいそ」の語源
「江戸時代、客と店との間に信頼関係が築かれ、その場その場で支払いを済まさず「ツケ」で飲食をするのが当たり前のときがありました。当時客が「おいあそ」という言葉を使うことはイコール、今までのツケをすべて清算し、その店には二度と来ないという意味になったというのです。「おあいそ」という言葉には「ツケ文化」とも関係があったと言えそうです。
「おあいそ」は客が使う言葉ではない
つまり「おあいそ」を客のほうから言うと「愛想が尽きたのでもう帰ります。会計をお願いします」という意味になってしまうのです。もしこんな言葉を店主に直接言ったらどうでしょうか。言われたほうは、がっかりした気持ちになることは間違いありません。普通に「チェック」や「会計」「お勘定」と言うのが良いでしょう。
お勘定、お会計、チェック。お店での正しい声のかけ方は?
お店での正しい声のかけ方は、地域や文化によって異なる場合もありますが、一般的な日本のお店での声のかけ方を紹介します。
お勘定(おかんじょう):飲食店などで支払いをするとき、レジや店員さんにお会計をお願いするときに使います。「お勘定お願いします」と言います。
お会計(おかいけい):飲食店や店舗での支払いの際に使われます。「お会計お願いします」と言うことが一般的です。
チェック:ホテルや宿泊施設などで、客室や料金の確認をする場合に使われます。「チェックアウトの準備はできましたか?」や「チェックアウトの際にはフロントにお越しください」といった形で使われます。
ただし、声のかけ方は状況や文化によって微妙な違いがある場合もありますので、具体的な場面によって適切な表現を使うように心掛けましょう。また、お店のルールやマナーに従いながら、丁寧で親切な態度で接することが大切です。
「お会計」と「お勘定」の違いは?
「お会計」と「お勘定」は、基本的には同じ意味を持つ言葉であり、お店で支払いをする際に使用されます。ただし、微妙な違いがある場合もあります。
一般的には以下のように使われる傾向がありますが、地域や店舗によって使われ方が異なることもありますので、一概には言えません。
「お会計」は、飲食店や店舗で支払いをするときに使われる表現です。例えば、レストランで食事を終えた際に、店員さんに支払いを依頼する際に「お会計お願いします」と言います。この場合、「お会計」は支払いの意味で使用されます。
「お勘定」は、飲食店や居酒屋などで料理や飲み物の注文を終えた後に、支払いの請求書(勘定書)をもらうことを指すことが一般的です。例えば、「お勘定をお願いします」と言うことで、請求書をもらい、支払いをする準備をすることを意味します。
ただし、地域や店舗によっては「お会計」と「お勘定」を同じように使用する場合もありますし、両方の言葉が混在して使用されることもあります。したがって、一般的な文化や店舗の慣習に合わせて、使われ方を覚えることが重要です。
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公開日:2021.07.21