バランスがうまくとれない子におすすめ!前庭覚を刺激するむあそび「くるくるフープ」【発達が気になる子の感覚統合遊び】

あそび14:くるくるフープ
こんな子におすすめ!
- ものを見る力が弱い、バランスがうまくとれない
あそびかた
- 手首を使ってフープを回す
- よく見て、ジャンプして飛び込む「せーの」
フラフープを床に立てた状態でもち、手首を使ってコマのようにくるくる回します。回っているフープがだんだん横に倒れてくるので、それをしっかり見て、自分のタイミングでそのフープの中にジャンプして飛び込みます。うまくタイミングが計れない場合、大人がそのタイミングを「せーの」などと声をかけて、指示してあげるとよいでしょう。
効果とねらい
- ものをしっかり見る力を育む
- タイミングよくジャンプして、バランス感覚を養う
- 前庭覚を刺激して揺れや回転を楽しむ
注意点
- 子どもがフープを回せなければ、大人が回す
- フープに引っかからないタイミングを大人が指示する
- フープを転がしたい場合は広い場所を選ぶ
あそぶときのアドバイス
運動企画とはこれから行なう「運動」を「企画」する能力です。今までの経験や、自分の運動能力に応じてどんな動きをどんな手順で行なうかを組み立てます。遊びの場合、これを瞬時に無意識でしていることが多いのですが、この力が弱いと特に「はじめてやる運動」では、うまく体が動かなかったり、怖がったりすることもあります。大人が見本を見せたり、動きの手順を絵で見せたりするのもよいでしょう。フープに入るタイミングがむずかしいと思うので、声をかけたり、背中を軽くたたいてあげたりして「運動企画」を助けていくとよいでしょう。
遊びをアレンジ
フープに飛び込め
色が異なるフープを床にいくつか並べておきます。大人が「赤」「青」などとフープの色を伝えます。子どもは両足、もしくは片足で指示されたフープにジャンプして入ります。
転がしフープ
フープをまっすぐ転がします。子どもはそれを追いかけて、フープが止まって床についたところにジャンプして入ります。
ここからやってみよう!
手首をひねってフープを回す、回るものをしっかり見る、タイミングを計算する、ジャンプして一定の場所に飛び込むなど、さまざまな要素が入っている遊びです。むずかしい場合は、アレンジバージョンの「フープに飛び込め」から遊んでもよいでしょう。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
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