マンガ・アニメは今や世界の共通語! 遥か白夜の国・フィンランドでも『銀牙』ファンの想いは熱かった! 

『ヤマト』と『銀牙』どちらに思い入れが⁉

昼食休憩をとった午後は、2つのセッション。まずは、海外配信対応のための英語通訳での公開インタビューをホールで。

『白い戦士ヤマト』と『銀牙-流れ星 銀-』をどうやって同時進行していたのか? 『ヤマト』と『銀牙』どちらに思い入れがあるのか? など、オールドファンならではの質問。
キャラクターとストーリーとどちらが先に作られるのか? 犬種の選定はどのように決めてるのか? など、テクニカルな質問。
『LAST WARS』ではオリオンとシリウスに深い対立があるが、高橋先生の考えはどっちに近いのか?など、思わず唸るような踏み込んだ質問…等々が繰り出され、よしひろ先生もひとつひとつ真摯に答えました。

1時間の休憩ののち、同じホールで今度は、来場ファンの質問もその場で受け付ける公開インタビュー。

ここではさらに、「そんなとこまでよく読み込んでますね!」とマニアックな質問の嵐。

リディアとジェロムの子供は娘2人息子4人と言われてるが、誰が娘なのか? とか、狂四郎は仔犬への暴力を嫌ってるはずなのに、なぜ『ノア』では広太を殴ったのだ? とか、赤目は『LAST WARS』の戦いで3ヵ所刺され片目を負傷したのに、なぜ傷跡が残らないのか…などなど、思わずよしひろ先生もタジタジとなってしまう…。「すみません、ボクが描くのを忘れちゃったんです」よしひろ先生の正直な告白に、場内が爆笑で包まれる場面もあり、わきあいあい和やかなムードで、このセッションも終了!

この夜は、沈まない太陽、白夜の風景を愉しみながら夕食をとり、早めに明日に備える。

専門誌インタビューでも先生の侍魂が!

そして2日目。
この日は、まずファンを交えたフィンランド語による公開インタビュー、休憩ののち、サイン会、そして英語での配信公開インタビューと続く。

インタビュアーも初日とは切り口を変えてくる。
だが2日目ともあって口調も滑らか、よしひろ先生は銀牙シリーズにおける「死」というテーマを、輪廻転生という考え方をベースに「正義と愛のために美しく死ぬ勇気」を熱く語る。上手く伝わってくれたことだろう。

イベントは盛況のうちに終了し、会場では撤収作業が始まる中、最後のオツトメ、雑誌『Anime』のインタビューに向かう。

さすがに専門誌のインタビュー、漫画家のクリエイティブな部分に踏み込んでくる。

創作の「インスピレーション」に関する質問に、クリント・イーストウッドの名作『グラン・トリノ』と、先生の珠玉短編『枯滝の十文(からだきのともん/集英社刊『銀牙-流れ星 銀-真・外伝』に収録)』の製作秘話を明かす。ここでも「侍魂」を熱く語り、専門誌インタビューも見事に完了! 編集長も笑顔で握手!

※真ん中に編集長、向かって右は通訳のプルさん。

全てを果たしたその夜は、ユバスキュラの名店で、主催者のヘレナさん、通訳のミカさんと、フィンランドビールでキッピス(乾杯)! 名物のトナカイ料理などに舌鼓!

※レストランの前で、主催者のヘレナ・リポネンさんと。

ホロ酔いながら私、思いました…。白夜の反対の冬季、極夜と呼ばれる苛酷な季節を耐え忍ぶからこそ、フィンランドの皆さんは白夜の夏に快哉を叫び、歓びを爆発させるのではないのかなあ…。そして、国土の大半を森と湖に占められた環境の中で、自然に対する畏れ、畏怖心、感謝を日本人以上に強く抱き「自然との共生」を身に付けているのじゃないかなあ…? だからこそ、ムーミンという妖精を受け容れ、銀やウィードといった犬たちにも自然に感情移入できるのではなかろうか…?

心地よい酔いに包まれた後も、フィンランドの夜はまだまだ明るいのでありました——。

キートス!フィンランド!

取材:文/編集部

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【関連書籍情報】
『~銀牙伝説~レクイエム 1』
著:高橋よしひろ


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越後での激戦のあと、奥羽軍の面々は二子峠の犬の楽園で平穏な日々を送っていた。酷暑の夏、ならず者の狼藉からの救援を請う一匹の犬が奥羽軍の元に現れる。ウィードたちは即座に出立するが、見送る銀の衰えは隠しようもなく…。不吉な空気がジワジワと忍び寄る、銀牙最終聖戦!!

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