動きケア®による予防と改善! 新発想の身体部分分けと基本運動③胸郭部【スポーツ障害予防の教科書】

身体の部分分けと基本運動③胸郭部
胸郭部の動きはいろいろなところに影響する
胸郭部の基本運動には、「屈曲と伸展」「右側屈と左側屈」「左回旋と右回旋」「拡大と縮小」という8つがあります。この動きの中で、特に現代人は背中が丸まってしまい伸展が十分にできない傾向にあります。背中を丸めてしまうと、左右への回旋の可動域が狭くなってしまいます。つまり伸展ができなければ回旋も十分にできないことになります。
それから「拡大と縮小」ですが、これは呼吸をする場合に胸郭が広がったり、縮んだりする動きです。近年、深呼吸しても胸郭が十分に広がらない、動かないという方が多く見受けられます。これは、体内に十分に酸素を取り入れることができないことに起因する身体の不調にもつながるため注意が必要です。
また、胸郭部が十分に動かないと上にある首や下に位置する腰に過度な負担がかかります。さらに、胸郭部と肩甲帯は連動して動くことが多いため、胸郭部が動かなくなると肩甲帯も動かなくなります。肩甲帯が動かなくなると肩に過度な負担がかかってきます。このように胸郭部が十分に動かなくなると、いろいろなところに影響がでてくるわけです。
一般的には、胸椎部から腰椎部、仙椎、尾椎までをひとまとめにして「体幹部」と呼ぶことが多いと思います。動きケア®では、この「体幹部」をさらに、「胸郭部」と「骨盤部」に分けてみています。そうすると、新たにみえてくることもた
くさんあります。動きケア®の「身体の部分分け」をぜひ、お役立てください。
8つの胸郭部の基本運動
①屈曲⇔②伸展
③左側屈⇔④右側屈
⑤左回線→⑥右回線
⑦拡大⇔⑧縮小
出典:『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
【書誌情報】
『スポーツ障害予防の教科書 姿勢と動きのコンディショニング』
土屋真人
スポーツと姿勢は重要な関係にあり、姿勢が歪んでしまうと筋肉・柔軟性・可動域・バランスなどに影響を及ぼします。姿勢はちょっとしたことでも狂ってしまいますが、その修正方法を多くの選手は知りません。本書は姿勢を改善することでパフォーマンスをアップさせるとともに、ケガの予防にも役立つために、なぜ不調や痛みが生じるのか、どこの姿勢が狂っているのが原因なのかをわかりやすく解説し、その改善方法やトレーニングについてイラストと写真でビジュアル的に紹介します。人によって不調が生じる部分は様々です。首、肩。胸郭部、背中、腰、股関節、足、などの各部位ごとに必要な柔軟性をチェックし、不調の整え方、効果的なトレーニング、改善方法を、トレーナーを指導する体育協会理事長の著者が徹底解説する初めての一冊になります。
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