働くみんなのストレスの原因“長時間勤務”と“滅私奉公”はなぜ起きる?【眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話】


ストレス社会を生む原因「長時間勤務」と「滅私奉公」
仕事に対する日本の価値観がストレスに
『令和4年国民生活基礎調査』では、悩みやストレスの原因として一番多かっ回答は「自分の仕事」でした。なぜ、日本人は仕事でのストレスが多いのでしょう。そこには、仕事に対する日本ならではの特徴があると思います。
まず、日本は勤務時間がとにかく長いです。近年は「働き方改革」なども導入されましたが、「ほかの人が頑張っているのに、自分が頑張らないわけにいかない」という空気はまだまだあります。日本の社会は狭いですし、まわりがすごく見ていますから、相互監視で頑張って働かざるを得ない。また、IT化が遅れていて、非効率なやり方が続いているのも、勤務時間が長い理由のひとつだと考えられます。
そして、日本では会社のために自己犠牲も厭わないことが美徳とされています。これは世界から見ると不思議なことのようですが、少なくとも昭和世代には、プライベートよりも仕事を優先するのが当然といった感覚をもっている人がまだまだ多くいます。
同じように、上司に尽くすことをよしとする文化もあります。日本の社会では、上司のことを考えて先回りして何かをしたり、上司がバカでもそれを支えるのが部下の務めという意識があります。本当はバカバカしいと思っていても、そうすることがよい社会人とされている以上、そこに同調するしかなく、結果、ストレスも溜まりやすいというわけです。
日本のサラリーマンの特徴
① 勤務時間がとにかく長い
- 戦後は貧しく、必死に働いた名残
- 他の人が頑張っているのに自分が頑張らないわけにいかない
→相互監視のような状態で頑張って働いてストレスが溜まる

② 会社のために自己を犠牲を厭わない
- 会社のために自己犠牲を厭わないという精神が昭和世代には残っている
- まわりに尽くすいわゆる滅私奉公
→自己犠牲の精神で我慢を続けることでストレスが溜まる

③ 上司に尽くす
- 上司のことを考え、先回りして何かをする、場合によっては悪事も働く(忖度)
- 上司がバカでも、それを支える自分はかっこいいという美意識(バカ殿文化)
→尊敬しているわけでもない上司のために頑張ることでストレスが溜まる

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 』監修:益田 裕介
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話』
監修:益田 裕介
<人生の9割はメンタルで決まる!心の健康に関する悩みとギモンを人気精神科医がすべて解決>
厚生労働省によると、精神疾患のため医療機関に通院や入院している人は、年間約420万人いるとされており、5人に1人は一生の間に何らかの心の病にかかると言われています。
その精神疾患のなかでも最も多いのがうつ病などの気分障害。
一度精神に不調をきたすと回復が容易ではないため、日頃から心を安定に保つための“メンタルマネジメント習慣”が大切です。
メンタルと一口にいっても、症状や悩みは人によってさまざま。
例えば「気分に波があって感情をコントロールできない」、「仕事に対するやる気やモチベがまったくない」、
「やったことのない新しいことに挑戦するのがこわい」、「褒められても、好きなことをしても満たされない」、
「いつも何かに追われて不安を感じる」などなどなど……。
まず、メンタルを整えるには、身体のケアも必要不可欠。
身体が弱っていたら、心も弱ったままです。
本書は「身体」→「人間関係」→「知識」の順で身体と環境、思考それぞれの整え方を紹介し、3STEPプログラムとして誰でも実践しやすいつくりになっています。
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