“空を飛ぶメカニズム”揚力の本質を数式から読み解く【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】


揚力を計算式であらわしてみる
揚力=揚力係数×動圧×翼面積
ここでは、別の見方をして、翼が空気の流れを翼の後方下向きに曲げ、その反作用の力が揚力であると考えて、話を進めてみましょう。その反作用の大きさは、ニュートンの第2法則の、
力 = 質量 × 加速度 によって、
揚力 = 空気の質量 × 曲げる加速度 となりますが、
加速度 = 速度 ÷ 時間 なので、
揚力 = 空気の質量 × 速度 ÷ 時間
となります。また、時間は空気が翼の長さを通過する時間なので、
時間 = 翼の長さ ÷ 速度となります。そして、
気の質量 = 空気密度 × 翼の体積 であり、
翼の体積 = 翼の長さ × 翼面積 でもあるので、つまり揚力は、
空気密度 ×(速度)² × 翼面積 に比例することがわかります。揚力係数を比例係数とすると、
揚力 = 揚力係数 × 空気密度 ×(速度)²× 翼面積 となります。
もっと単純に、揚力は翼が動圧をうまく受け流したことによる空気からの反作用だと考えれば、翼全体に作用する力は、動圧×翼面積なので、
揚力 = 揚力係数 × 動圧 × 翼面積 と表現することもできます。
以上のことをまとめると、左図にあるような式になります。
揚力の計算式
揚力は動圧の変化を翼面積で受けることから揚力は(動圧×翼面積)に比例することになります。
揚力係数を比例係数とすると次のような式になります。

翼の断面を流れる空気と揚力の大きさ

(例:垂直尾翼は迎え角ゼロで揚力が発生しない方が好都合)


【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治
「飛行機はなぜ、どうやって空を飛べるのか」という基本から、最新の知識、身近な航空雑学まで、飛行機の魅力をたっぷり図解でわかりやすく教える一冊。
この記事のCategory
オススメ記事

コイの姿に学ぶ!? 揚力を生み出すデザインの秘密とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

飛行機はなぜ飛べるのか?自動車と飛行機に働く「4つの力」の話【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

アルコールと自律神経の深い関係とは!?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】

お酒は飲んでも大丈夫!糖質0gのお酒と一緒に食べるべきおつまみは?【眠れなくなるほど面白い 図解 炭水化物の話】

お酒は疲労回復面ではメリットなし【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】

お酒で筋肉は減らない!? 本当に怖いのは“極端な糖質制限”だった【眠れなくなるほど面白い 図解 内臓脂肪の話】

お金を出してでも有名起業家に話をしに行く【眠れなくなるほど面白い 図解 起業の話】
