成層圏の空に揺れる光「オーロラ」ポーラールートで見える自然の神秘【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

成層圏から見るオーロラ

磁北と真北

冬のアンカレッジ空港で飛行機の外部点検をしているときに上空を見上げると、ときどき薄いピンクや水色あるいは薄い緑色が混ざっているオーロラを見ることができます。

しかし10000m以上の上空では、薄い緑色あるいは淡い水色をした単色のオーロラしか見たことがありません。北米上空だけではなくロシア上空でも見ることができますが、まるで風に揺れているカーテンのように動き雄大な自然に時間が過ぎることを忘れてしまいます。

そのアンカレッジ空港を離陸してヨーロッパに向かう便は、北極圏を経由するルート(ポーラー・ルートといいます)を通ります。

その昔は、日本からアメリカ東海岸方面やヨーロッパ方面への便は燃料補給のため必ずアンカレッジ経由だったのですが、飛行機の性能向上によりほとんどが直行便になりました。

しかし、現在でもアンカレッジ経由でヨーロッパに向かう便はあります。

さて、このポーラー・ルート上では、地図上の北である「真北」と磁石が示す「磁北」の違いを実感できます。磁気コンパス計器と真北を指示する計器の両方を見ていると、それぞれ逆方向の北を指すことがあります。北極点と北磁極の間を通過したからです。

そして、それぞれの北を示す計器が刻々と動き、文字通り北の極みであることがわかります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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