選手層の厚さだけじゃない! 千葉ジェッツの強さとは?
2024‐25シーズンで開幕9年目を迎えた国内プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。最近ではパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりやNBAプレーヤー・渡邊雄太の日本復帰などもあり、その人気は右肩上がり。今回、『ラブすぽ』ではそんなBリーグの中でも、実力・人気ともにトップクラスを誇る千葉ジェッツについて解説します!
千葉ジェッツはBリーグ開幕シーズンからB1に所属しており、過去8シーズンで地区優勝が4回、コロナ禍で中止となった2019‐20シーズンを除いた7シーズンすべてでチャンピオンシップ(CS)に出場し、そのうち4回決勝に進出(優勝は1回)している“超”が就く強豪クラブです。
2022‐23シーズンに記録したレギュラーシーズン53勝、勝率.883(53勝7敗)はともにB1記録で、昨シーズンもB1東地区3位ながらCSセミファイナルまで進出しています。
今シーズンも開幕14試合終了時点で12勝2敗とB1東地区首位を快走中の千葉J。その強さの最大の秘密は、なんと言ってもBリーグ屈指の選手層にあります。
日本を代表する司令塔・富樫勇樹選手、日本代表経験もあるガッツマン・原修太選手、抜群の身体能力とスピードを誇るクリストファー・スミス選手、昨シーズンのリバウンド王、ジョン・ムーニー選手、新人王も受賞した金近廉選手といった既存戦力に加え、今シーズンからはNBAプレーヤーの渡邊雄太選手、207センチの大型フォワード、ディー・ジェイ・ホグ選手、さらにアジア特別枠で208センチのビッグマン、マイケル・オウ選手らが加入。B1を舞台にしても「2チーム作れる」と言われるほどの豪華なメンバーがそろっています。
分厚い選手層はそのまま、戦術の「多様性」も生み出します。たとえば今シーズン、開幕2戦目で渡邊雄太選手が故障離脱するアクシデントに見舞われていますが、ジェッツは以降も大崩れすることなく勝ち星を量産。「超目玉選手」である渡邊選手に依存しないチームであることを証明しています。
事実、12試合消化時点で1試合平均83.6得点(リーグ4位)、フィールドゴール成功率45.2%(同9位)、平均39.1リバウンド(同5位)など、各スタッツで軒並みリーグ上位をマーク。攻守ともに高いパフォーマンスを発揮し続けています。
戦術的な面で昨シーズンからの変化を挙げるとすれば、「3ポイントシュート試投数」の増加でしょう。昨シーズンもリーグ5位の試投割合を誇った千葉Jですが、今シーズンはその割合がさらに増加。これは現在のバスケットボール界全体の潮流でもあり、千葉Jはその最先端をいくクラブ。世界のトレンドをしっかりと踏襲しつつ、それでいて今後、渡邊選手が復帰した後は、たとえば渡邉選手、ムーニー選手、オウ選手、ディー・ジェイ・ホグ選手と4選手が206センチを超えるという「超大型布陣」を組める可能性もあり、戦術バリエーションの豊富さはB1でも屈指。
一方で、渡邊選手の離脱後もしっかりと勝ち切っていることから分かるように、現在はスターター4名が平均2ケタ得点をマークするなど、極端に誰かに依存することのないチームであることも最大の特徴です。
どこからでも得点を奪えて、スピードも、高さも、テクニックも兼備する――。高いレベルで完成されたチーム作りを今シーズンの千葉Jは実現していると言っていいでしょう。
現在は天皇杯でも2次ラウンドを勝ち上がっている千葉Jは、Bリーグとの「二冠」を狙っています。レギュラーシーズン、天皇杯ともに今後はさらに厳しい戦いが待ち受けていますが、渡邊選手も年内には復帰が見込まれており、さらにチームのクオリティが上がるのは間違いありません。
4シーズンぶりのBリーグ王者と「二冠達成」。2024‐25シーズンの日本バスケ界をけん引する千葉Jの戦いぶりから、目が離せません。
文・花田雪
公開日:2024.12.06
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