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【基礎知識】ボートレースの醍醐味!決まり手の種類とは?『究極のボートレースガイドブック』

Text:永島知洋

ボートレースの基礎知識

まず初めに〝ボートレース〟とはいったいどんなものなのか、初心者のあなたにもわかりやすく説明します。知れば知るほど、水上の格闘技・ボートレースの底知れない魅力へ引き込まれていくことでしょう。これであなたもレッツ!ボートレース!

決まり手を覚えよう

ここではレースの決まり手をご説明します!ボートレース場には2つのターンマークと呼ばれるソフトクリームみたいな赤と白のカラフルな置物が浮いています。その最初にあるターンマークを第1ターンマーク、その次にあるターンマークを第2ターンマークと呼びます。そのターンマークを目印にしてレーサーはターンをするわけです。

ターンマーク『究極のボートレースガイドブック』

聞いたことがある方もおられると思いますが、そのターンするときの技の呼び名を「モンキーターン」といいます。漫画やアニメのタイトルにもなったこの呼び名。ボートレースを知らなくても、今やパチンコ、パチスロでモンキーターンの台があるので、ピンと来た方もいるかもしれません。

レーサーがボートの上で中腰になってターンする姿がサルに似ていることからその名が付けられました。中腰というか、もうボートの上で立ってターンしている感じです。モンキーターンしながらボートの前をちょっと浮かしてターンすると、ボートは水面との接地面が少なくなり、摩擦が少なくなってスピードが出るので、究極的に速いターンができるのです。

モンキーターン『究極のボートレースガイドブック』

今ではモンキーターンを進化させた「ウイリーモンキー」などという技もあります。レーサーは常日頃からどれだけスピードを落とさずターンできるかという究極のターンを追求しているのです。そのモンキーターン炸裂の決まり手をご紹介!「決まり手」というのは勝つときの技の名前です。第1ターンマークの攻防でこの技が出て、決まり手になります。

その他にもレースの賞金や好モーターランキングなど、出走表でさまざまな情報が見られるので、舟券を買う買わないにかかわらず見ているだけでも楽しくなりますよ!

⚫︎逃げ

逃げ『究極のボートレースガイドブック』

まずボートレースの中でいちばん多いのが「逃げ」。これはもう単純!インコース、つまりいちばん内側に入ったボートがスタートを決めて第1ターンマークを先に回る。そしてそのまま抜かれずに1着でゴール。まさしく文字どおり「逃げ」。他のボートから逃げる、イン逃げともいいますね!「逃げ」はボートレースの決まり手の中で最も多く出ます。スタートを決めて先にターンマークを回るといちばん有利なわけです。ちなみに他のボートよりも先に回ることを、ボート用語では「先(さき)マイ」といいます。

⚫︎差し

差し『究極のボートレースガイドブック』

「差し」はインコース以外のコースのボートに発生する決まり手です。内側を走るボートのそのまた内側をすり抜けていく勝ち方を差しといいます。内側1艇でも2艇で3艇でも、とにかく内側から勝つ決まり手です。差して勝ったときは「差し切った」などとも呼びます。

⚫︎ツケマイ/絞りまくり

ツケマイ/絞りまくり『究極のボートレースガイドブック』

ボートレースの醍醐味といえるのが「まくり」です。インコース以外ができる技、内側のボートに外から被せてターンして勝つ、これがまくり! ボートレースファンの中でも抜群の人気です!!まくりにも種類がありまして、外のボートが内側の上を攻めて並んだ感じで最後に沈めるまくりを「ツケマイ」と呼びます。内のボートがスタート遅れて外側のボートがスタート後に内側をしめながら攻めていくのを「絞りまくり」などという言い方もします。まとめて外から攻めて1着で勝つことを「まくり勝ち」と呼び、私はいちばん好きな決まり手です。

⚫︎まくり差し

まくり差し『究極のボートレースガイドブック』

「まくり差し」は先ほど紹介した差しとまくりの合わせ技!これぞ近代ボートレースの醍醐味!その名のごとく、まくって差す!内側のボートをまくりつつ、そのさらに内側を差します。あなたの買っていた選手が鮮やかにモンキーターンで突き抜けたとき、あなたに幸せが訪れるでしょう!

⚫︎抜き

まくり差し『究極のボートレースガイドブック』

「抜き」は第1ターンマークで決着がついたと思ったら、3周走っている間に抜かれて1着が変わる決まり手。後ろを走っているボートは先頭のボートが走って波が起きた荒れた水面を走らないといけないので、基本的に抜くことは難しいのですが、まれに起こります。私はこれで何回泣いたことでしょう……。

⚫︎恵まれ

恵まれ『究極のボートレースガイドブック』

「恵まれ」も文字どおりでございます。ボートレースはスタートでフライングや出遅れが発生すると、その当該選手は失格返還欠場となります。ただスタートした瞬間にすぐにわかるわけではなく、半周ぐらいはわからないときもあります。例えば、逃げて先頭に立っていたボートが実はフライングだったと発表されると、1着を走っていてもその瞬間に走るのをやめてレースから外れないといけないため、後ろを走っているフライングしていないボートが繰り上がりで1着ということになります。フライングがあっても、しなかった選手はレースを続けますからね。言葉のとおり恵まれということです。自分の好きな決まり手を見つけて、ぜひレースを見て興奮してください!ちなみに私はまくりが好きですが、王道のイン逃げスタイルも大好きです!

ボートレースの用語

『カド』

カドとは進入コースが決まり、前にいるスロー組と後ろに引っ張ったダッシュ組に分けたときのちょうどダッシュ組の1番内側のボートのことです。最も多いパターンの進入である123と456で分かれた場合のカドは4号艇。12と3456と別れた場合が今流行りの3カドで3号艇。1234と56に分かれた場合は5カドの5号艇。12345と6に分かれた場合は6 号艇がカドなのですが、6 カドとは呼ばずに「単騎がまし」と呼ぶことが通称になっています。ちなみにカドの手前、スロー組の1番外側をカド受けといいます。

カド『究極のボートレースガイドブック』

『上を攻める』

外からまくって攻めることを「上を攻める」「上から攻撃する」などと玄人ファンやレース実況アナウンサーが表現することがあります。まくられたレーサーも「上を行かれた」とコメントすることがよくあります。この表現に対して「同じ水面上にいるのに“上を攻める”とはどういうこと?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか?これは単純にレースの見え方の問題です。我々はレースを手前(外側)から見るので、スタート時は最内の1 号艇が上に見えています。そのまま1マークをターンすると、攻めるボートが画面上でもレース場でも上に行くように見えるわけです。「上を攻める」=「外から攻める」だと覚えてください。

上を攻める『究極のボートレースガイドブック』

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

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