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普通の虹とは別の副虹と環水平アーク(水平線上の薄雲に見える虹色の光の帯)が出現する条件とは?【物理の話】

Text:長澤光晴

太陽光の分散と屈折率

空には普通の虹の他にも色がついて見える現象がたくさんあります。そのほとんどは普通の虹と同じように太陽光の分散が原因です。

ここでは、副虹と環水平アーク(水平線上の薄雲に見える虹色の光の帯)を取り上げてみましょう。

まず、普通の虹の外側に現れる副虹についてです。

夕暮れ時の太陽と主虹・副虹の関係

普通の虹と比べると副虹は薄く、色の並び順が逆です。これは、❶のように光が水滴中で2回反射する経路を考えれば説明できます。

この場合、太陽光線と約52度の角度をなす方向に水滴から出る光を観測者は見ることになります。この角度は普通の虹の約42度よりも大きいので、虹の外側に現れるように見えるわけです。薄く見えるのは、水滴中での反射のたびに、光の一部が屈折によって水滴から出ていくからです。普通の虹が出たときに、副虹も虹の外に必ずあるのですが、周りが暗くないとよく見えません。

つぎに、環水平アークです。

環水平アークは、太陽の少し下に比較的真っすぐな形で出現します。最近では2014年5月4日に日本の広い地域で観測されて話題になりました。

環水平アークは、雪の板状結晶が水平に並んでいるところを太陽光が2回屈折して観測者へ向かう経路を考えれば説明ができます(❷)。この場合、観測者は太陽の下方約46度の付近に環水平アークを見ることができます(❸)。

ただし、環水平アークが見えるためにはもう一つ条件があります。太陽高度が58度以上あることです。そのため、日中にしか現れないので、せっかく見える条件が揃っても、太陽の強い日差しに遮られるなどして滅多に見えないのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 物理の話』
著者:長澤光晴  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1967年生まれ。東京理科大学理工学部物理学科卒業。北海道大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。東京電機大学工学部基礎教育センター・工学部環境化学科准教授、フランス国立極低温研究所(CRTBT)客員研究員(2001年)を経て、現在は東京電機大学工学部自然科学系列・工学研究科物質工学専攻教授。博士(理学)。日本物理学会所属。著書に『面白いほどよくわかる物理』(日本文芸社)がある。


水洗トイレ・冷蔵庫からジェトコースター、スケート、虹、オーロラ、飛行機、人工衛星・GPSまで身の回りにある物や現象のしくみが面白いほどよくわかる!文系の人でも理解できるよう、とにかくわかりやすく、またとにかく図を使ってうまく説明しました! 本書で扱ったテーマは、身の回りにそれとなくある物や現象です。それらの仕組みを知らなくても生きてはいけますが、知っていればなかなか楽しく暮らしていける、そんなものばかりです。物理の醍醐味は、いろいろな現象を少数の法則や定理そして少しの仮定で取り扱うことができるところにあると思います。