LOVE SPORTS

  • HOME
  • 書籍
  • 飲酒の肝臓がんへの影響が欧米人と日本人では異なる理由とは!?【図解 病理学の話】

飲酒の肝臓がんへの影響が欧米人と日本人では異なる理由とは!?【図解 病理学の話】

Text:志賀貢

毒性の強い「アセトアルデヒド」がDNAを損傷

肝臓は、運ばれた栄養分を貯蔵し、代謝の中枢て毒物や薬物の処理(解毒作用)を行います。さらに、胆汁もつくって消化の手助けも行う再生能力の盛んな臓器のひとつです。

飲酒が肝臓に悪いことや、大量飲酒の習慣が「肝硬変」の原因になることは知られていますが、肝硬変から肝臓がんに進行することも多く、飲酒は肝臓がんの要因である可能性も考えられています。

アルコールの発がん性は完全に解明されてはいませんが、アルコールを飲むと体内で発がん性のある「アセトアルデヒド」と酢酸の順に代謝されます。

これが細胞内部のDNAに損傷を与え、損傷の修復を妨げることでがんを引きおこしていると考えられています。

特に日本人には、お酒に弱く、すなわちアルコールの代謝物であるアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いタイプが多いので、飲酒の肝臓がんへの影響が欧米人とは異なると考えられています。

二日酔いはこのアセトアルデヒドが肝臓で十分に処理されないことでおこる現象です。

よく健康診断で、γガンマGTP値が高いのでお酒の量を控えてくださいと、言われることがありますが、γGTPは胆管でつくられる酵素で、肝細胞でつくられるGOTとともに「トランスアミナーゼ」と呼ばれています。

肝臓でアミノ酸の代謝に関わる働きをしていて、肝細胞が破壊されると血中に流れ出してくるので、その量によって肝機能を調べることができます。

つまり、両者の数値が高いということは慢性的に肝細胞が破壊され続けているということです。

節度あるアルコール医量とは?

ビール・・・中ビン1本(500ml)

日本酒・・・1合(180ml)

ワイン・・・グラス2杯(200ml)

焼酎・・・半合強(100ml)

ウイスキー・・・ダブル1本(60ml)

1週間に1~2日ほどの休肝日を設けよう。

アルコールは肝臓がんだけに影響があると思われているけど、ほかのがんのリスクも高めているんだ!

節度あるアルコール医量とは?『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』

シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ

図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。

ピロリ菌の感染源『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』

図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!

気になる中身を少しだけご紹介!消化管のおもな病気と症状とは?

放っておくとがんになる炎症とポリープ

消化管とは、口腔から始まり食道、胃、小腸、大腸を経て肛門までの食物の通路のことをいいます。食道から胃までを上部消化管といい、食道にみられる病気で、近年増えているのが食道の粘膜が炎症をおこした「食道炎」です。その症状は、胸部の痛み、下障害(飲み込みにくい)、胸やけ、 香酸、などがあります。食道炎の中で多いのが「逆流性食道炎」で、これまでは高齢者に多くみられましたが、最近では若い人にも増えてきました。放置すると潰瘍に進行し、食道がんのリスクも高くなります。便秘が原因のひとつとされており、食生活にも注意が必要です。肝硬変患者の3大死因のひとつとなっているのが「食道静脈瘤」です(そのほかは肝がん、肝不全)。食道粘膜の下層にある静脈が太くなり瘤のようになった状態です。これは「門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)」が原因となって発症します。「門脈」とは、腸で吸収された栄養素を肝臓に送り込む血管のことで、門脈を通して取り込んだ栄養は肝臓で処理されて全身に運ばれます。

しかし、肝硬変になると血液が流れにくくなり、それまで門脈を流れていた血液は、本来のルートからはずれて食道の血管を流れるようになります。食道への血流が多くなる結果、血管が船のようにふくれあがって食道静脈瘤になります。手当が遅れると瘤が破れ大出血してショック死をすることもある怖い病気です。胃の粘膜の炎症でおきる「胃炎」は、急性胃炎と慢性胃炎に分けられ、急性胃炎は喫煙、暴飲暴食、アルコール飲酒、ストレスが原因のものと、感染性(ブドウ球菌、アニサキス)があります。慢性胃炎はヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)、や加齢などの複数の因子が絡み合っているとされます。胃の粘膜にポリープができる「胃ポリープ」には、放置しても問題のない「胃底腺ポリープ」、比較的ピロリ菌が下人でなることが多い「過形成性ポリープ」、正常組織よりがんを発症しやすい前がん病変と考えられている「胃腺腫ポリープ」などがあります。

消化官のおもな病気

口腔

歯周病・口の中の腫瘍・嚥下障害など

食道

食道炎・食道静脈瘤など

胃炎・胃ポリープなど

十二指腸

十二指腸潰瘍・十二指腸炎

小腸

クローン病・小腸腫瘍など

大腸

大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎など

肛門

痔核疾患・痔ろう

消化管のおもな病気『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』

★生命の設計図といわれるDNA
★細胞には2通りの死に方がある!?
★貧血はどうして起きるの?
★がんって本当に遺伝するの?

などなど気になるタイトルが目白押し!

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「病理学」について切りこんだした一冊。病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」です。コロナウイルスが蔓延する中で、人はどのようにして病気になるのかが、改めて注目されています。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊です。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 病理学の話』
著:志賀 貢

病理学とは「病(気の)理(ことわり)」の字のごとく、「人間の病気のしくみ」。細胞や血液、代謝や炎症、腫瘍、がん、遺伝子などと、人体のしくみ・器官、食事を含む生活、加齢などさまさまな環境との関連から、「病気」を解明するもの。専門書が多いなか、病気とその原因をわかりやすく図解した、身近な知識となる1冊。細胞、血液、がんーー生命の不思議と病気の原因を、面白くわかりやすく探る!

芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内