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急降下攻撃で獲物を蹴り落とす【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

ハヤブサ

ハヤブサは、鋭いくちばしと爪を持つ猛禽類。ワシやタカと似ていますが、くちばしから頭の後ろまで出っ張りが少なく、スマートな顔をしているのが特徴です。また、目の下が黒く、これは目の下の羽毛が太陽の光を反射して眩しくなるのを防ぐためだと言われています。

ハヤブサの主な獲物は小型~中型の鳥類で、小型哺乳類や昆虫も捕食します。獲物を探すときは、高空を大きな弧を描くように旋回。動体視力がよく、1500mの離れた場所からでもノネズミを見つけられます。空を飛ぶ鳥に狙いを定めると素早く獲物の上空まで急上昇し、両翼をたたんで背中につけ、猛烈な速さで急降下します。

ぶつかるように獲物に接近すると、鋭いカギ爪のついた脚で翼の筋肉の付着部あたりを思いきり蹴って墜落させます。そして、急旋回しながら獲物を空中でつかみ、くちばしで最後の一撃を与えるのです。

幅が狭く、先が尖った羽を持ったハヤブサは急降下が大得意。その速さは鳥類最速で、30度急降下するときは時速270㎞以上、45度なら350㎞に達することもあると言われています。それだけのスピードで追撃された鳥は逃げる隙もありません。急降下攻撃を察知し、旋回して逃げようとしてもハヤブサは追撃します。素早く正確に捕獲すると、巣に持ち帰り鋭く曲がったくちばしで肉を引き裂いて食事をするのです。

非常に攻撃力の高いハヤブサですが、実は渡り鳥のように集団をなす相手は苦手。自分の翼が傷つくのを一番恐れているためであり、ハヤブサの影が見えたとたん密になって地上に降りようとする渡り鳥を追うことはしないのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空・川のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。
単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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