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わずかな音も聞き逃さず静かに獲物をゲット【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

フクロウ

ずんぐりとした丸い体と大きな目が特徴的なフクロウは他の鳥と違って目が顔の前面にあるため、人間と同じくらい広い視野を持っています。また、頸もよく回り、頭を270度以上もぐるりと回転させられるため、より広い範囲を見ることができるのです。

頸や目以上に機能的なのが耳です。鼓膜が大きく、耳の小骨である耳小柱が中心から少しずれていることで、わずかな音も正確に聞き取ることができます。フクロウはしばしば首をかしげる仕草をしますが、これは相手をよく見ているだけでなく、音の出所や距離などを正確に測っているのです。

夜行性のフクロウが狩りをするのはもちろん夜。昆虫やカエル、ネズミ、小鳥などの小さな哺乳類を獲物としていますが、優れた耳でどんな獲物がどちらに向かって動いているかをおそるべき正確さで聞き分けます。雪の上をそろそろと歩く子ネズミの足音すら聞き逃しません。

優れた聴覚によって獲物の位置を瞬時に把握すると、音を立てずに近づいて捕獲。フクロウの脚は短く見えますが実際は長く、足指は前後2本ずつの十字型に開き、先端は鋭いカギ爪状になっています。握る力も強く、ネズミやモグラなどの獲物をしっかりつかんで離しません。食べるときは、大きく口を開けて丸飲み。かわいらしい顔をしながら、食事シーンは意外と豪快なのです。

また、羽毛に隠れていて分かりにくいですが、実はフクロウは先が湾曲した鋭いくちばしを持っています。この立派なくちばしは、丸飲みできないほど大きな獲物の肉を引き裂いて食べるときや、獲物をくわえて巣に持ち帰るときなどに役立ちます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

図解シリーズで解説するハンター生物の話‼
ライオン、大鷲、ホオジロザメなど陸・海・空・川のハンター生物の狩りの方法をイラスト付きで紹介する一冊です。
単に子ども向けの図鑑ではなく、イラストと文章できちんと動物の生態を解説。
動物が生きるために、どのような工夫をしているのかを紹介します。

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