強引にリードを引くのはNGです
散歩中、飼い犬が階段や段差の前で動かなくなってしまうことがあります。その理由は、トラウマにあることが多いようです。階段を強引に引っ張り上げられたり、段差から転げ落ちて体を強く打ちつけたときの恐怖が脳裏にこびりついているのです。
そのような経験をさせたことがない場合でも、ダックスフントやコーギーのように脚が短い犬種は、階段や段差を嫌がる傾向があります。
これらの犬種のなかには脚の長さが10センチほどの犬もいますから、ちょっとした段差でも断崖絶壁に見えてしまうのでしょう。
もし、愛犬が歩道橋や段差の前で立ち止まっても、「ほらっ、歩きなさい!」などと強く叱るのは酷というもので、強引にリードを引くなどもってのほかです。そんなことをして転げ落ちたり、階段の角に体をぶつけて痛い思いをしたら、段差を見ただけで逃げ出すようになってしまうかもしれません。
それだけならまだましで、チワワやポメラニアンなど遺伝的に骨が弱い犬種の場合は、骨折する可能性もあります。だから、少し過保護すぎるかなと思っても、階段や段差だけは飼い主が抱いて昇り降りすることをおすすめします。
階段や段差のある家で犬を飼っている場合も要注意です。とくに床や階段に大理石やタイルが貼られている場合は足を滑らせやすく、転げ落ちたり脚をねじってしまうケースがあります。
このような事故が起きないように、階段の前に防御柵を取りつけたり、滑り止めの対策をしておくといいでしょう。ただし、防御柵は、ちょっとした改造が必要になるかもしれません。人間の赤ちゃん用の防御柵は下の部分が開いているものが多く、犬がくぐりぬけてしまうことがあるためです。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.14