こまめにトイレを掃除してやり解決を
散歩をしていると、他の犬や猫が残したウンチに愛犬が強い興味を示すことがあります。ふだんは素直な犬も、このときばかりはいくらリードを引いてもなかなか動いてくれません。
これだけならいいのですが、次の瞬間、そのウンチをパクリ! なかには他の犬猫のものではなく、自分のウンチを食べてしまう犬もいて、飼い主にとってはショックな出来事でしょう。
「もしかして、ウチの犬は異常なのかも」と心配する飼い主もいるようです。たしかにこれは「食糞症」という病気とされています。しかし、犬がウンチを食べるのは、それほど珍しいことではありません。
「ウンチが汚いもの」というのは、あくまでも私たちの論理。犬にそれは通用しません。もともと犬にはひろい食いをする本能が備わっています。それは、空腹に耐えながら生きていた野生時代の名残りなのですが、においの強いウンチを目の当たりにすると、その本能がよみがえり、ついパクリとやってしまうのです。
実際、猫のウンチには栄養がたくさん含まれていて、犬にとってはまたとないごちそう。そのまま見過ごすことができないのでしょう。
しかし、だからといってこの食糞行動を見過ごしていると、寄生虫や病原菌に感染することもあるので注意が必要です。「ウンチに目がない」という性格は子犬のころに作られます。何にでも興味を持ちたがる子犬が、自分のウンチで遊んでいるうちに、そのにおいにつられてパクリとやり、それが病みつきになってしまうわけです。
ウンチ好きな犬にしないためには、子犬のころからこまめにトイレを掃除してやること。またトイレの失敗を強く叱りすぎると、証拠を隠そうとして、かえってウンチを食べるクセがついてしまうことがあります。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.18