家と主人を守るための行動と察知しよう
家の前を通行人が歩いているだけなのに、ワンワンとけたたましく吠える犬がいます。いわゆる「無駄吠え」です。
早朝や深夜にこれをやられるとついカッとしてしまいますし、ご近所からも苦情が寄せられますから、飼い主にとっては悩みの種です。しかし「無駄」と決めつけているのは人間だけ。犬は無駄なことなどしません。必要だから吠えているのです。
吠える理由にはいくつかありますが、無駄吠えは防衛本能や警戒心によって起こるものです。「でも、家の前を人が通るだけなら危険はないでしょう」こう考えるのも人間だけ。犬が言葉をしゃべれるとしたら、「家の前の道路もなわばりのうちで、そこに知らない人が侵入してきたから、警戒して吠えたんだ」と答えるはずです。
人が犬を家畜化した理由のひとつに、「家を守ってもらう」というものがあります。庭で犬を飼っている犬は、遠い昔に家と主人を守っていたことを思い出し、誰かが近づいてくると敏感にそれを察知して「ワンワン」と無駄吠えするようになります。
犬はそれが仕事と思っているので、主人にほめられると思っています。ところが、実際には叱られてばかりというストレスが、さらに無駄吠えを起こさせるようになります。
無駄吠えをさせたくなければ、どんな人が近づいても吠えさせないこと。この訓練を地道にやることが大事です。
たとえ吠えたとしても飼い主の制御で即座に黙らせることができるよう、リーダーシップを発揮した対応を心がけましょう。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.19