本能的ににおいを嫌っている
トイレのしつけは、犬を飼ううえでもっとも大切なことのひとつです。完全な室内犬以外は、散歩の途中で排便をすることが多いようですが、なかには外では排便や排尿をせず、しかも、決められたトイレ以外の場所を汚す犬もいます。
どうしてもトイレで排便・排尿をしない場合、犬がトイレの場所を嫌っていることが考えられます。たとえば、寝床の近くにトイレを置いていませんか。
野生時代の犬は洞窟などをねぐらにしていました。そこで排便・排尿をするとにおいがこもり、衛生状態も悪くなるため、洞窟から少し遠い場所でするのが習慣でした。つまり、犬にとって自分の住みかとトイレがあまりにも近すぎるのは、本能的に受け入れられないのです。トイレを遠くにしても失敗を繰り返すときは、そのたびに注意してください。
ただし、おしっこやウンチが床にあるのを見つけてから注意するのでは遅すぎます。排尿や排便をしているときに注意すること。遅くても、終わった瞬間にしてください。
注意のしかたは、物差しで床を叩いたりして、犬が驚くような音を立てる方法がいいでしょう。他の場合と同様に、怒るのは逆効果になります。注意をしてからトイレへ連れて行けば、定められた場所で排尿や排便をするようになるはずです。
いずれにしても、室内飼いでトイレのしつけができない放し飼いが原因ですので、ハウスに隔離し、定期的にハウスから出したりトイレをさせ、しばらくしたらハウスにしまうということを繰り返すようにして習慣づけます。
出典:『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』監修/藤井聡
【書誌情報】
『面白くてよくわかる 決定版 イヌの気持ち』
監修: 藤井 聡
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公開日:2021.12.24