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4兆7000億人から1人を特定できるDNA型鑑定の驚くべき鑑定方法とは?【科学捜査】

遺伝子情報を持たない塩基配列を検査する

DNAには遺伝情報を持つ部分「エキソン(エクソンともいいます)」と、遺伝情報を持たない部分「イントロン」が並んで存在しています。

イントロンには一定の核酸塩基配列が何回も繰り返されている部分があります。2〜6塩基配列を1単位として繰り返す配列を「マイクロサテライト(STR=縦列型反復配列)」といい、約10〜100塩基配列を1単位として繰り返す配列を「ミニサテライト(VNTR=高度変異反復多列型)」と呼んでいます。

これらの繰り返し回数は個人よって違いがあり、DNA型鑑定とは、その違いで個人識別をするのです。膨大なDNA塩基配列のうち、特定の位置を遺伝子座(ローカス)といいます。ちなみにエキソンとイントロンの比率は1対たい9で大部分が遺伝情報を持たない部分です。

DNA型を鑑定する方法はいくつかあり、ミニサテライトの繰り返し数を分析する方法を「DNA指紋法」といい、現在のDNA型鑑定の基礎となっています。

「DNA指紋法」は採取される試料が微量であったり、長時間劣悪な環境に放置された試料が多い犯罪捜査には対応できませんでした。

現在、世界中で使用されているのはマイクロサテライト(STR型)の複数の遺伝子座を検査する、「マルチプレックスSTR法」といわれる手法です。この方法は常染色体15ヵ所と性染色体1ヵ所を分析します。

日本の犯罪事件でDNA型鑑定が初めて取り入れられたのは、1988年の六本木強姦傷害事件でしたが、まだ、DNA型鑑定のガイドラインが策定されておらず、法廷では争われなかったのです。

出典:『図解 科学捜査』監修/山崎昭

【書誌情報】
『図解 科学捜査』
監修:山崎昭

科学捜査は驚くほど進化している。血液や指紋・DNA鑑定、顔認証システム等の画像解析やインターネットを駆使した情報分析など、微細な証拠から犯行の立証、犯人逮捕に結びつけている。刑事ドラマや推理小説などで活躍する科学捜査の実体、その最先端の技術、方法など全貌を図解で徹底紹介!微細な証拠も大いに真実を語る、犯罪は絶対に見逃さない。

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