赤血球の表面にある糖鎖の違いで区別している
最もポピュラーな鑑別法はABO式
血液にはいくつもの分けかたがありますが、最も広く使われているのは、1900年にオーストリアで発見された「ABO式」と呼ばれる方法です。血液をつくっている赤血球には表面にある「糖鎖(とうさ)」の構造に違いがあり、ABO式の血液型は、この糖鎖によって決まります。O型の人の糖鎖は「H型物質」と呼ばれます。「H」は「Human(ヒューマン)」のことです。血液型がA型の人の赤血球には、H型物質の末端にA型物質がついています。B型の人の赤血球には、「B型物質」がついています。AB型の人には「A型物質」と「B型物質」の両方がついています。
O型の「O」は「ない」を意味する
A、Bときたら、O型ではなく、C型になりそうなものですが、O型になった理由は、O型の人の糖鎖は「H型物質」のみで、「A型物質」も「B型物質」もついていないためです。では、なぜ「O」なのでしょう。これは、ドイツ語で「ない」を意味する「Ohne(オーネ)」の頭文字をとったとされています。O型の人は、基本形である「H型物質」のみを持つため、O型の血液は万能で、どの血液型の人にも輸血可能です。しかし、多量の輸血では、凝血や溶血を起こすため、現在は緊急時を除き、ほかの血液型には輸血できない決まりになっています。また、ABO式以外の代表的な血液型の分けかたに、Rh式があります。おもに「プラス」と「マイナス」に分けられ、日本人は99.5%がRhプラスといわれています。
ABO式鑑別での血液型の違い
こうした糖鎖の型は、遺伝によって親から子に引き継がれる。日本では、A型の人が最も多く、AB型が最も少ない。アメリカなど、O型の人が最も多い国もある。
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?
空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む
いくつもの器官を通って脳に辿り着く
耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。
耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因
年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。
音波が聴覚に変わるしくみ
①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる
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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄
ヒトの骨は全部で何個あるの? 血管の長さって、どれくらいあるの? 女性と男性で呼吸法が違うって、ほんとう? いちばん身近でディープ! ヒトの体のナゾを徹底解明! 専門的知識ゼロでOK! 骨、筋肉、肺、心臓、腸、脳……。超素朴な疑問で楽しむ解剖学のキホン。いま、解剖学は医療職やスポーツ関係者だけでなく、健康や体に対する意識の高い人を中心に広く一般に関心が高まっています。解剖学は、人体を切り開き、ヒトの体のしくみと働きを追求する学問。そんな解剖学と解剖学から発展した生理学をベースに、いちばん身近でディープな人体の謎を、ゆるくて楽しいイラストとともにわかりやすく解説します。専門的知識ゼロでも大丈夫。素朴な疑問形式で、骨や筋肉、関節から、呼吸器、循環器、消化器、呼吸器、感覚器、生殖器まで、知っておきたい体のコトが楽しくわかります。日常生活にも役立ち、楽しさ満載の図解本。
公開日:2023.09.20