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カラスの声が大きくて怖い理由とは?【カラスの話】

えっ! 声が大きくて怖い? ご近所迷惑?

迷惑かどうかはともかく、声はでかいですね。あまり経験しないでしょうが、耳元で鳴かれるとものすごい音量です。特にハシブトガラスは音声コミュニケーションが発達していてよく鳴きます。開けた場所を好むハシボソガラスがハシブトガラスほど鳴かないのは、見通しが良い環境なら鳴かなくても見ればわかるからでしょう。

ハシブトガラスの声は、騒音も遮るものもない状態なら、1.5キロ先からはっきり聞こえたこともあります(これを経験したとき、私は山頂にいて、カラスは隣の山頂にいました)。彼らは本来の生息地である山林では広い行動圏を持ちます。ハシブトガラスの行動圏がときに1キロ四方を超える。ことを考えると、縄張りの反対側まで声を届けるには、それくらいの音量は必要でしょう。

もちろんカラスだって常に大声で鳴くわけではありません。近距離での音声コミュニケーションでは、もっと小さな声で鳴きます。例えば、ハシブトガラスのオスがメスにエサを受け渡したり、求愛したりするときには「からら…」という、うがいのような軽い声を出します。これは少し離れると聞こえないほど小さな声です。飼育されているカラスを近くで見ていると、しょっちゅう「クウ」「アー」といった、つぶやき声のような音声も出しています。声を出さずに、クチバシを閉じるパクッという音だけが聞こえることもあります。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著: 松原始

「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。不吉なシンボルとされる方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。「カラスはほんとは怖くない!? 」「 読めばよむほど、好きになる!?」

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